鮮烈なデビューを飾った2023年型の新型トヨタ・クラウンはフルサイズセダンのフラッグシップとして位置している。上級なプレミアムセダンでありながら、力強い加速と優れた応答性を示すハンドリング、さらに洗練された居住性と乗り心地のすべてを兼ね備えている。また、トヨタ初のパフォーマンスハイブリッド「HYBRID MAXシステム」を搭載し、ドライバーが実感できるパワーを実現している。

グレードは3種類。「XLE」、「Limited(リミテッド)」、「Platinum(プラチナム)」の3グレードが用意され、パワーユニットは、HYBRID MAXと第4世代のトヨタハイブリッドシステム(THS)の2種類のハイブリッドパワートレインから選択することができる。HYBRID MAXパワートレインは、「プラチナム」グレード専用となっており、メーカー推定340馬力を発生するトヨタの新型パフォーマンスハイブリッドだ。

2.4Lターボエンジンとダイレクトシフト6速オートマチックトランスミッションとの組み合わせにより、低回転から力強いトルクを発生し、スポーティで爽快な走りを実現するとともに、都市・ハイウェイ総合燃費はメーカー推定28MPGを達成している。「XLE」、「リミテッド」には、新開発の高出力バイポーラ型ニッケル水素電池を搭載した高効率ハイブリッドシステム「THS」を搭載。メーカー予想都市・ハイウェイ総合燃費は38MPGを達成している。

トヨタのGA-Kプラットフォームをベースに新開発されたシャシーを採用したクラウンは、カムリよりも約100mm高い全高を実現している。高さが上がることで道路からの視認性が抜群に良くなり、乗り降りもしやすくなっている。また、流れるようなシルエットと彫りの深いボディラインは、このクラスにはない新鮮な表情を生み出している。

新世代ハイブリッドシステムHYBRID MAX

新型クラウンに搭載された「HYBRID MAX」は、これまでのハイブリッドシステムを踏襲して、効率を重視しながらも滑らかで力強いトルクフルな加速を実現するために開発された。

HYBRID MAXは「プラチナム」グレードに搭載され、2.4リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載し、2000~3000回転で最大トルクを発生するようにチューニングされ、フロント電気モーターで最大トルクを発生させるシステムである。高出力の水冷式電気モーターを搭載した後輪eAxle(イーアクスル)とハイブリッドエンジンの組み合わせにより、4輪にダイレクトに力を伝達し、パワーバンド全域でスリリングなスロットルレスポンスとリニアな加速を実現している。

「XLE」、「リミテッド」グレードに搭載された第4世代トヨタハイブリッドシステム(THS)は、高効率の2.5リッターDOHC4気筒エンジンと2つの電気モーターによって構成されている。ガスエンジンは、吸気カムシャフトにVVT-iE(Variable Valve Timing-intelligent by Electric motor)を、排気カムシャフトにVVT-iが採用され、吸気と排気のバルブタイミングの可変範囲を設定し、燃費と出力を両立させている。

THS搭載車では、「NORMAL(ノーマル)」、「ECO(エコ)」、「SPORT(スポーツ)」に加え、短距離低速に限り電動駆動の「EV」走行モードが選択可能になっている。「プラチナム」グレードにランクアップすると、さらにスロットルレスポンスとシャープな走りが向上した「SPORT+(スポーツ+)」、しなやかな走りと乗り心地を重視した「COMFORT(コンフォート)」、システム設定を個人設定可能な「CUSTOM(カスタム)」モードが追加されている。

ファーストクラス級キャビン

運転席・助手席には8Wayパワーシートが標準装備され、スライド、リクライニング、チルト、ハイトアジャスト、ランバーサポート(運転席のみ)を調整することができる。さらに、3段階の温度調節が可能なシートヒーター(フロント)を標準装備。「リミテッド」と「プラチナム」には、ベンチレーション付フロントシートとリアシートヒーターが標準装備された。シートは、「XLE」にソフテックス&ブラックウーブンファブリックシート、「リミテッド」と「プラチナム」には本革シートが装備されている。

マルチインフォメーション表示が可能なフルデジタルメーターパネル
薄型・高解像度のコントロールパネル

また、デュアルゾーン・クライメートコントロールも全グレードに標準装備されている。水平基調のダッシュボードには、薄型のイルミネーションコントロールパネルがマルチメディア画面の下に配置され、よく使う機能は下段のキーボードスイッチにまとめられている。また、12.3インチカラーMIDを全車に採用。ドライバーはボタン操作で様々な表示を選択でき、ドライバーのシステム出力や回生状況を表示するハイブリッドシステムインジケーターなど、エコドライブを促進するための機能を搭載している。

上位グレードで選択できる電導サンルーフ
シフトノブ脇の助手席用USB-Cポート×2

「プラチナム」と「リミテッド」には、パノラミックムーンルーフが標準装備されている。また、機能的で高級感のあるLED照明を車内に配置。視認性・操作性に配慮し、オーバーヘッド照明、フロント/リアフットウェル照明、カップホルダー、USBポート、ドアハンドルにも照明のアクセントが配置され、高級感を演出している。

USBポートは複数用意され、ドライバーとパッセンジャーが一緒になって充電できるよう配慮されている。運転席には、スペース効率を向上させた縦型ワイヤレスQi充電を標準装備。コンソール内に、USB-Type Aと12Vの充電端子を、助手席側には挿入口を意図的に助手席側に向けた、独立したデュアルUSB-Type C端子を標準装備している。さらに後席乗員用には、USB-Type C端子が2つという充実っぷり。

トヨタ新型クラウンの衝撃 クラウンスポーツはBEVで決まり? セダンは?

7月15日にワールドプレミアされた新型クラウン。伝統の後輪駆動プラットフォームからフロントエンジン横置きのFFベースに切り替わったことも驚いたが、もっと驚いたのは車型が4種類もあったことだ。まずは、「クロスオーバー」からの発売になるが、あとには「セダン」「スポーツ」「エステート」が続く。あれっ? 「スポーツ」には既視感があるぞ?

https://motor-fan.jp/mf/article/69778/
よく分かる! 新型クラウンの買い方・選び方【新型CROWNバイヤーズガイド】

新型クラウンが衝撃の発表以来、大きな話題を呼んでいる。「これはクラウンじゃない!」という声もある一方で、現車を見た人たちからは「格好良い!」の声もたくさん届く。いずれにしても、スタイルも中見もすっかり変わってしまい、クラウンの選び方が分からない!という人が多いだろう。そんな皆さんのために、クラウンのアウトラインをまとめてみた。この記事を読んでからカタログを見ていただければいっそう理解が深まるはずだ。

https://motor-fan.jp/mf/article/69827/