目次
個性派デザインに高い収納力 実用上の工夫も盛りだくさん
競合他社の人気を尻目に、実は本国では先にこうしたクルマを手掛けていたシトロエンも、ついに三代目となるベルランゴの日本導入に踏み切ったのが2019年月のこと。 二度のオンライン予約は即完売となり、翌年8月のカタログモデルも特別仕様車が売れまくって追加販売されるなど、これまでずっと予想を上回る売れ行きを見せてきた。創立100周年を超えたシトロエンの歴史は、「人々の〝移動の自由〞 と〝自由な移動〞を支え、それをコンフォート(快適)なものとすること」をずっと追求してきたという。 ベルランゴにも快適性をさらに高めようという新しい概念である「シトロエン・アドバンスド・コンフォート」のコンセプトが足まわりやシートなど随所に盛り込まれている。
エクステリア
特徴的なエアバンプをはじめ、遊び心を感じさせる新世代シトロエンのデザイン哲学を取り入れたユニークな容姿は見てのとおり。インテリアも個性的なつくりで、デザインの面白さに加えて、実に全28ヵ所に合計186lにもおよぶストレージスペースが設けられている。
乗降性
中でもパノラミックルーフと収納スペースを融合させた「MODUT OP」の斬新な発想は一見に値する。 さらに、ラゲッジスペース上の大容量のシーリングボックスも後席とリヤゲートの両側からアクセス可能なつくりで便利に使える。跳ね上げ式 バックドアに単独で開閉できる便利なガラスハッチを備えているのも重宝しそうだ。
インストルメントパネル
電動スライドドアが選べないのはお国柄ということで。2列目シートはリクライニングできないのが難点だが、それぞれ個別にアレンジが可能で横幅が均等な3名分の独立したシートが配されている。前倒ししたときの奥行きは2m近くあり、さらに助手席まで倒すと2.7mの長尺物も積める。ただし、完全にフルフラットにはならないので車中泊するにはちょっと工夫が必要だ。
居住性
日本向けは1.5l直4ディーゼ ルのみで、8速ATが組み合わされる。ディーゼルとしては音や振動は それほど大きくない半面、トルク感が控えめな感もなくはない。プラットフォームは最新版ではないものの、乗り心地はシトロエンらしい。ソフトタッチなテイストながら、 重心高のそれなりに高いクルマゆえロール等の挙動を抑えるべく引き締められた感覚もあり、そのさじ加減が良い落としどころをついている。
うれしい装備
月間登録台数 NO DATA 現行型発表 19年10月 WLTCモード燃費 18.0km/l
ラゲッジルーム
21年11月に発売されたサーフブランド「リップカール」とのコラボによる特別仕様車は、砂浜と太陽の光をイメージしたという新色のマットイ エローのボディサイドに波をイメージしたブランドロゴが描かれているほか、インテリアも随所にイエローのアクセントが配されているのが特徴。走りに関する部分でも、シトロエンがラリーで得たノウハウを活かしたという、悪路走破性を高めるトラクションコントロールの進化版「グリップコントロール」を日本仕様のベルランゴとしては初めて採用したことも特筆できる。ベルランゴのこの独創的な世界観に魅せられる人が少なくないのは、 これまでの売れ行きでも明らか。実用性と個性の両方を求める人にもも ってこいだ。