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2022年1-6月の国内販売データを見ると、ミッドサイズSUVの販売台数は以下の通りだ。
トヨタ・ハリアー:2万2250台
マツダCX-5:1万5482台
トヨタRAV4:1万5227台
スバル・フォレスター:1万2643台
三菱アウトランダー:8595台
日産エクストレイル:4951台
このうち、トヨタ・ハリアーはボディサイズが全長×全幅×全高:4740mm×1855mm×1660mmとやや大型だからミッドサイズに入れるのが相応しいかわからないが、依然としてマツダCX-5の人気が高いことはデータから読み取れる。
では、エクストレイルは新型に切り替わってCX-5のライバルになれるだろうか?
マツダCX-5 vs 新型エクストレイル 価格比較
現行CX-5の登場は2017年2月。すでに5年が経っているが、洗練されたエクステリアデザイン、上質なインテリアともに充分以上の競争力を保っている。また、SKYACTIV-Dというマツダ得意ディーゼルエンジンを持っているのも特徴になる。
主なグレードの価格は
マツダCX-5
20Sスマートエディション(FF):267万8500円
20Sスマートエディション(4WD):290万9500円
XDスマートエディション(FF):299万7500円
XDスマートエディション(4WD):322万8500円
XDプロアクティブ(4WD):345万9500円
XD Lパッケージ(FF):352万円
XD フィールドジャーニー(4WD):355万3000円
対する新型エクストレイルは
新型エクストレイル
S(2WD):3198800円
S(e-4ORCE):347万9300円
X(2WD):349万9100円
X(e-4ORCE):379万9400円
X(e-4ORCE 7名乗り):393万0300円
G(2WD):429万8800円
G(e-4ORCE):449万9000円
CX-5には2.0ℓ直4ガソリンエンジン(156ps/199Nm)のグレードもあるが、エクストレイルのライバルになるのは、2.2ℓ直4ディーゼルターボ(200ps/450Nm)搭載グレードだろう。同じ4WDモデルで比較すると
CX-5 XD フィールドジャーニー(4WD):355万3000円
エクストレイル S(e-4ORCE):347万9300円
となる。
サイズ比較
新型エクストレイル
全長×全幅×全高:4660mm×1840mm×1720mm
ホイールベース:2705mm
最小回転半径:5.4m
最低地上高:185mm
CX-5 XDフィールドジャーニー(4WD)
全長×全幅×全高:4575mm×1845mm×1690mm
ホイールベース:2700mm
最小回転半径:5.5m
最低地上高:210mm
ボディサイズは、エクストレイルがCX-5より85mm長いが、ホイールベースはほぼ同じ。つまり、CX-5の方が前後のオーバーハングが短いわけだ。並べてみてすぐわかるように、この2モデルはデザインテイストがまったく異なる。新型エクストレイルのシャープで現代的なデザインもいいが、魂動デザインのCX-5は依然として美しく、新鮮さを失っていない。
パワートレーン&燃費比較
マツダCX-5 XDフィールドジャーニー(4WD)
形式:2.2ℓ直列4気筒ディーゼルターボ
型式:SKYACTIV-D2.2
ボア×ストローク:86.0mm×94.2mm
排気量:2188cc
圧縮比:14.4
最高出力:200ps(147kW)/4000rpm
最大トルク:450Nm/2000rpm
使用燃料:軽油
タンク容量:58ℓ
日産エクストレイル発電用エンジン
形式:1.5ℓ直列3気筒VCRターボ
型式:KR15DDT
ボア×ストローク:84.0mm×90.1mm
排気量:1497cc
圧縮比:8.0-14.0
最高出力:106kW/4400-5000rpm
最大トルク:250Nm/2400-4000rpm
使用燃料:レギュラー
タンク容量:55ℓ
モーター(フロント)
BM46型交流同期モーター
最高出力:150kW(204ps)/4739-5623rpm
最大トルク:330Nm/0-3505rpm
リヤモーター
MM48型交流同期モーター
最高出力:100kW/4897-9504rpm
最大トルク:195Nm/0-4897rpm
CX-5の魅力のひとつは、2.2ℓディーゼルエンジン(SKYACTIV-D2.2)が生み出す豊かなトルクである。450Nmという最大トルクは、どんなシチュエーションでもCX-5を自在に走らせる。また、最新ディーゼルらしく、かつてのようなガラガラ音はしっかり抑えられいる。
対するエクストレイルは、こちらも日産が誇る可変圧縮比ターボ(VCRターボ)という最新最先端のエンジンを搭載している。エンジンは発電用のみに使う。圧縮比は8.0-14.0で変化し、ドライブ状況に合わせてもっとも効率の高い圧縮比で運転される。定常では14.0で加速や負荷が高い領域では8.0の圧縮比となる。
エクストレイルの魅力は、e-POWERであること。100%モーター駆動となるため、極めてレスポンスのいい駆動力制御ができる。4WD(e-4ORCE)もエクストレイルを選ぶポイントになるだろう。
では、燃費はどうだろう?
マツダCX-5 XDフィールドジャーニー(4WD)
WLTC燃費:16.6km/ℓ
市街地モード13.4km/ℓ
郊外モード16.3km/ℓ
高速道路モード18.7km/ℓ
日産エクストレイル e-4ORCE
WLTC燃費:4WD 18.4km/ℓ
市街地モード16.1km/ℓ
郊外モード20.5km/ℓ
高速道路モード18.3km/ℓ
となっている。WLTCモードではエクストレイルの方が燃費データが良い。しかし、使用燃料がエクストレイル=レギュラーガソリン、CX-5=軽油となるから現在の燃料価格(レギュラーガソリン平均価格=166円/ℓ 軽油=145円/ℓ)で計算すると1km走るのに必要なコストは
CX-5:8.7円/km
エクストレイル:9.0円/km
と逆転する。また、高速道路モードではCX-5ディーゼルの燃費の良さが光る。高速道路を使ったロングドライブが多い人にはやはりCX-5は魅力だろう。
インテリア&ラゲッジルーム比較
だいぶ見慣れた感のあるCX-5のインテリアだが上質さではまだまだライバルにひけを取らない。エアコンのルーバーにライムグリーンの差し色がはいっているのがフィールドジャーニーの特徴。
室内のカタログサイズは
室内長×幅×高
CX-5:1890mm×1540mm×1265mm
エクストレイル:1980mm×1540mm×1255mm
となっている。
CX-5の前後シート
エクストレイルの前後シート
ラゲッジルームは?
CX-5のラゲッジルームは、可動上限段、前後2分割できる機能的なラゲッジボードに加えて、荷室とテールゲートの開口部をフラットにすることで使いやすくしている。荷室長は約950mm、荷室幅は約1450mmだ。
対するエクストレイルの荷室はMクラスSUVでクラストップの575ℓの容量を確保している。
冒頭に書いた今年上半期の販売台数でモデル末期のエクストレイルはCX-5の3分の1だった。これが新型に切り替わってどこまで肉薄できるか、あるいは逆転できるか。楽しみである。