「モニターレス」最新ドラレコを読み解くキーワード 視界確保と操作性向上を狙う、割り切りの妙

カメラ一体の本体ではなく、別体のモニターを使うことで、設定変更や録画映像の再生なども容易になる。
操作性を重視するなら大きなものを、視界の遮りを極力減らすにはより小さく……ドライブレコーダーに求められる相反する要求を共に満たす、新たな提案に注目してみよう。

相互リンクで役割を分担

普段は使用頻度の高いレーダー機能を、ここぞという時にドラレコ機能をと、使用タイミングの被りも少なく、いたってスマートだ。

今でこそドライブレコーダーのイメージが根強いセルスター工業ながら、以前よりその名はレーダー探知機を扱うメーカーとして広く知られていた。事実、同社における今の二本柱はレーダー探知機とドライブレコーダー。ふたつを共に使用するファンも多い。 

そのため、両者を連携させる仕組みが以前より整えられてきた。レーダー探知機の通称も、最近では”セーフティレーダー”と称されることが多く、安全運転を支援する機器としての側面を強めており、ドライブレコーダーとの融和性も高い。

そもそも後付けの市販ドライブレコーダーは、望ましい位置にカメラを配置する成り立ちからして、視認性と操作性を両立させるうえでジレンマを抱えている。ドライバーの視界に入る場所に設置されるだけに、より小さくしたほうが視界確保に有利な反面、小さくするほどに本体操作には手間取りがち。これは前方視界全体はもちろん、モニターそのものの見やすさも同様といえる。

いっぽうレーダー探知機あらため“セーフティレーダー”は、概ねドライバーの手が届きやすい場所に本体を設置するのが一般的。ドライブレコーダー以上に、本体操作の頻度も高く、そしてモニターを通じて発せられる情報も多い。

であれば、本体操作とディスプレイをセーフティレーダーで共用すれば……前述のジレンマも解消できる。それを高い次元で成立させたのがここで紹介するセルスターの新製品『CS-52FRW』だ。

割り切りのモニターレスにより、カメラ本体も思い切って小型化できて視界の遮りを極力減らすことができるのはもちろん、その分の余力を高画質化に振り分けることで、高精細録画はもちろん、夜間撮影にも強く、そして赤外線領域にまで踏み込んだ監視カメラ性能を高めることに成功している。 

相互リンクそのものは今に始まった話ではないものの、そのレベルはここに来て一段と高まっている。限られた車内スペースを有効に使ううえでも、そのシステム化は極めて有効だ。

Cellstar『CS=52FRW』(実勢価格:39800円前後)

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