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1996年式「クラウン・コンフォート」
アメリカでは販売されていなかったのに、なぜかトヨタフェストの会場にしれっと降臨したクラウン・コンフォート。しかもボディ側面には中国語らしき文字で「的士」と書いてある。何から何まで謎過ぎるので近くにいたオーナー、ジョー・ウーさんに尋ねたところ、「日本のドライビングスクールで教習車として使われていたコンフォートを輸入して、香港のタクシーを再現してみたんです(笑)」と仰る。
中を覗くと確かに助手席の補助ブレーキやら、助手席から後方確認できるルームミラーがついているではありませんか! クラウン・コンフォートは香港やシンガポールでもタクシーとしてよく見かけるポピュラーな車種だそうで、香港出身のウーさんならではのユニークなカスタマイズというわけだ。なんとアメリカ国内の登録も済ませてあるので公道も走行可能! ウーバーを呼んで、これで迎えに来られたらマジで笑える。
2011年式「プリウス」
まさかのタクシーつながりでもうひとネタいけてしまったのが、こちらのプリウス。エアサスで車高を落とし、大径ホイールを履いたカスタマイズカーでありながら、なぜか外観は東京に実在するタクシー会社「日の丸交通」のグラフィックと行灯が再現されている。ただ、表示が義務付けられている所属営業所の所在地名が「津市」になっている詰めの甘さが味わい深い。
後席窓には自作したのであろう「初乗1.052km ¥420」というステッカーが貼ってあり、このカスタマイズが2019年10月の法改正移行に製作されたであろう時代考証まで積むことができた。ハンドルの上には白手袋が置かれ、エモいレースのシートカバーや日本円の現金が置かれたトレーも再現。ここまで来たら、ぜひリヤドアの自動開閉機能も再現して欲しい!
1993年式「ハイエース・クルーキャブ・ファイヤートラック」
警察から払い下げられたアメリカのパトカーを輸入する日本人のマニアがいるのだから、アメリカにレトロな日本の消防車を輸入するマニアがいたっておかしくはない。日本の官公庁オークションで落札されたであろうこちらのハイエースは、アメリカの業者が2019年に輸入。現オーナーであるハワード・シンガーさんが20年に購入したものだそうだ。
隅々まできれいにレストアされているだけでも関心してしまうが、レトロな標識灯、赤色警告灯、サイレン、PA装置なども当時のまま完備。幌が掛けられた荷台にはベンチシートが備わり、車体の製造元である「森田ポンプ株式会社(現 株式会社モリタ)製造」のプラークも貼られていた。ただ「全長が現行のカローラより7インチも短いのに6人乗れるんだぜ!」とオーナーが力説していたのが何よりもおかしかった。