スタイリッシュで人気の高いクロスオーバー、マツダCX-30の使い勝手を徹底チェック! |SUVレビュー

「ファミリーユーザーにも買っていただけるコンパクト」と開発者。CX-30は4名乗車で荷物を積んでも快適なクロスオーバーSUVである。その理由は、小さな車体でありつつも実用的な後席と広めの荷室を前提にしたパッケージングとしているからだ。

REPORT●工藤貴宏(KUDO Takahiro)
ASSISTANT●菅原樹里亜(SUGAWARA Juria)(身長160㎝)
PHOTO●中野幸次(NAKANO Koji)

〈ナビ・AV・空調〉取扱説明書も画面で確認できる

インパネ上部に8.8インチディスプレイを搭載。地図データが収録されたナビゲーション用SDカード(別売5万3899円)を追加するだけでカーナビとして利用できる。マツダ3以降のナビはハードウェアも刷新され、大幅に高性能化。動きもサクサクだ。さらに、通信モジュールを標準搭載し、コネクテッドカー化されているのもポイント。画面は従来モデルと異なり非タッチパネルで、操作はすべてセンターコンソールのコマンダーで行なう。
衝突回避支援システムをはじめとする先進安全支援機能の設定などもディスプレイを通して行なう。
取扱説明書は、クルマの使い方や操作方法を大きなイラストで見られるのも便利な特徴。検索機能も優れている。
画面上で取り扱い説明書を読むことができる。ビジュアルから検索するなど、電子版ならではの使い方ができるのもメリット。
「アダプティブドライビングディスプレイ」とはヘッドアップディスプレイのこと。設定はシートメモリーと紐付けされる。
スマホ連携はApple CarPlayとAndroid Autoに対応。Googleマップによるナビもディスプレイで表示・操作できる。
ハンズフリー通話の発話開始はもちろん、電話帳から連絡先を読み込んでの発信なども車両側から操作可能だ。
カメラで道路上の速度標識を読み取り、その速度と実車速の差から警告を出す機能も搭載。警報の作動範囲も設定できる。
i-DM(インテリジェント・ドライビングモニター)が運転操作を採点。低燃費だけでなく、心地良い走りも評価するのが特徴。
平均燃費だけでなく、過去の燃費履歴もバーグラフ表示で細かく確認できる。時には自分の走りを振り返ってみよう。
前方を映した状態。黄色い補助線はステアリング操作に連動して左右に動くことで、クルマの進路を予測してくれるものだ。
全車にオプション設定となる360°ビューモニターは、クルマの全周囲に加えてフロントもしくはリヤの様子を大きく表示する。
360°ビューモニターには、左右の前輪付近を拡大する機能を搭載。狭い場所を通る際や、クルマを路肩に寄せる際に重宝する。
センターコンソールの後部にあるエアコン吹き出し口は、国内仕様のマツダ3には搭載されていないアイテム。後席を使うことが多いファミリー層への思いやりだ。
センターコンソール内にはDCアクセサリーソケットに加え、マツダコネクトに接続するUSBとHDMI端子、そしてナビ用SDカードスロットを設置。
エアコンは左右独立温度調整式。ダイヤルによる温度設定は操作性が良く、ダイヤルを回すフィーリングも心地良いのはちょっとした自慢だ。空調のオン/オフも独立したボタンを設けているのでわかりやすく、瞬時に操作できるのもポイント。

Boseサウンドシステム

Bose装着車のドア部分のスピーカーパネルは、なんとアルミ製。この質感のためにBoseを選びたくなるほどだ。
標準の8個に対してオプションのBoseは12個のスピーカーを搭載。サラウンド音源を立体的に再生する機能も持つ。

〈居住性&乗降性〉高く座らせることで高効率を実現した居住スペース

シート高:630〜660㎜ ステップ高:420㎜

クロスオーバーSUVの最大の美点は、地面に立った状態からの腰の高さの変化が少なくて乗り降りのしやすいシート高。さらに、ドア下部にフロントスピーカーがないことで足先がドアに当たりにくい。

床に対する着座位置(基準値)はマツダ3に対して45㎜高く設定されている。しかし調整幅が広く、下げると包まれ感のあるスポーティな感覚、一方で高くするとSUVらしく見晴らしを良くできる。骨盤をしっかり支え、背骨の自然なS字カーブをつくるというこだわりのシートは、見た目よりも身体にフィットして包み込む感覚が強い。

シート高:650㎜ ステップ高:430㎜

クーペスタイルのライバルたちと違ってCX-30は天井の傾斜が少なく、そのメリットは乗降時にも頭が天井に当たりにくいことでも感じられる。ただ、ドア開口部の幅は自慢できるほどには広くない。

マツダ3に比べるとホイールベースを短くしたぶんだけ前後席間距離は短いが、床に対して高く座らせる(マツダ3に比べて44㎜高い)ぶんだけ足の収まりは良く、前席調整位置も前寄りになることもあってマツダ3より狭いという感覚は感じない。姿勢保持性は良好だが、背もたれはもう少し寝ていた方がリラックスできると感じるかも。

注目装備

スーパーUVカット&IRカットガラス:日焼けの原因となる紫外線や暑さの原因となる赤外線をカットするフロントドアガラスを一部仕様に採用。
ドライバーモニタリング:ディスプレイ脇の赤外線カメラや赤外線LEDでドライバーの状態を確認し、疲労や眠気を検知して注意を促すシステムを設定。
エマージェンシーコール:頭上のボタンを押すとオペレーターに繋がり、緊急車両の手配などをサポート。事故時には自動でオペレーターに繋がる。
シートベルトリマインダー:ルームミラーの上にあるインジケーターで後席シートベルトの装着状態が確認できる。走行中のベルト装着し忘れを防ぐ。

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著者プロフィール

工藤 貴宏 近影

工藤 貴宏

自動車ライターとして生計を立てて暮らしている、単なるクルマ好き。

大学在学中の自動車雑誌編集部ア…