新型シエンタ「2列or3列シート」どちらを選ぶべき?荷物が多い人は2列シートがいい?

新型トヨタ・シエンタは、初期受注の段階で2列5人乗りの比率が想定よりも高いという。本筋は、多人数乗車が可能なコンパクトミニバンというキャラであるため、主力は3列7人乗りだろうが、コロナ禍もあってクルマで過ごす趣味などが広がり、2列5人乗りも脚光を浴びている可能性がある。ここでは、2列シート車と3列シート車の積載性についてチェックしていこう。
TEXT●塚田勝弘 PHOTO●中野幸二・塚田勝弘

3列目シートを床下格納すれば広いラゲッジスペースが出現

新型トヨタ・シエンタは、初期受注の段階で2列5人乗りの比率が想定よりも高く、3列が多いものの、2列も半数に迫る勢いだという。本筋は「多人数乗車が可能なコンパクトミニバン」というキャラであるため、3列7人乗りが主力となるのだが、コロナ禍もあってアウトドやキャンプ・車中泊など、クルマを使った趣味のブームで、2列5人乗りも脚光を浴びている。そこで、2列シート車と3列シート車の積載性の違いについて解説していこう。

新型シエンタ 全長4260mm×全幅1695mm×全高1695mm ホイールベース2750mm

シエンタの「ときどき3列」というコンセプトは、初代から変わっていないという。3列シート仕様であっても普段は、サードシートを格納しておいて、いざという時にプラス2人乗れる、というのが通常の使い方になるだろう。サードシートにそれ以上の居住性を求めるのなら、ノア/ヴォクシーという選択肢を検討する必要がある。

3列目を格納した5人乗りの状態。
3列シートを使用した7人乗りの状態。

サードシートは、床下に格納するダイブダウン機構を採用した。床下格納する際は、スライド可能な2列目を折りたたみ(タンブル)させてから、サードシートの背もたれを前倒し、さらに床下に格納する。慣れれば容易に格納・復元ができるものの、普段は格納しっぱなしか、あるいはサードシートを起こした状態というケースが多そうだ。そのサードシートは、セカンドシート下に格納される。
ダイブダウンなので格納時は当然フラットで、この状態であれば日常の買い物程度あれば何ら不足はないだろう。

ダイブダウン式のサードシートは、2列目シートの下に格納される。
サードシートを2列目の床下に畳み込んだ状態。このまま2列目シートを復元すれば5人乗りの状態になる。

また、3列目は5対5分割式なので、長い荷物を積む際や荷物が増えた時でもサードシートを片側倒すだけでも奥行きは増す。さらに、最大時は、セカンドシートをタンブルさせた状態で、荷室フロア高505mmという地上からの開口高の低さを活かして、自転車などの大きな荷物やキャンプ用品なども多く積み込めそうだ。

後席シートをすべて収納した状態の最大荷室長は1525mmとなる。

趣味で遊べるMPVとして評価されている2列シート車

2列シート車は、サードシートがない分、MPV的に使えるのが魅力。3列シート車もサードシートを格納すれば、広い荷室が生まれるものの、2列仕様は、シートアレンジの手間なく、そのまま大きな荷物を積むことができる。

先述したように、初期受注の段階で2列シート車の比率が想定よりも多いそうだ。空前のキャンプブームの中、アウトドアや車中泊などの趣味も含めて2列シート車を取り回ししやすいMPVとして評価しているユーザーが、先代よりも多いのかもしれない。

セカンドシートを前倒しした状態の荷室最大長は2045mm。

2列仕様のセカンドシートは、6対4分割式で、背もたれ肩口にあるレバーを引いて背もたれを前倒しするオーソドックスなチルトダウンを採用。片側だけ倒せば3人乗りながら、長尺物や多くの荷物も積載できそうだ。5人乗りの2列目は、チルトダウンとリクライニングのみでスライドはしないが、セカンドシートを前倒しすればMTBの2台積みにも対応する。

6対4分割式のセカンドシートは、片側だけ倒せば3人乗りながら、長尺物や多くの荷物も積載できそうだ。

最大時の荷室奥行きは、2045mmとなり、マットを敷けば車中泊も可能だ。なお、先代のラゲッジボード(デッキボード)は、反転させると樹脂製になり、荷室高を稼ぐことができたが、新型のラゲッジボードも反転させると荷室に収まるものの、少し隙間があり、しっかりと固定されない。新型では、反転させて使うことは想定していないそうだ。

新型シエンタでは、ラゲッジボードを反転させた、この状態ので使用は想定していないそうだ。

その代わり、アウトドアでの仕様を想定した純正アクセサリー(販売店オプション)も多彩に揃っている。ラゲッジを上下に仕切ることができるアイテム(ラゲッジセットやマルチネットセットなどを設定)をはじめ、バックドアラック、ラゲッジウッドデッキ、バックドアネットなど多彩で、エアマットなどの用品も充実している。

荷室を上下に仕切るボードや荷崩れ防止ネットがセットになった「ラゲージアッパーボードセット」
「バックドアラック」
「バックドアラック」

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著者プロフィール

塚田 勝弘 近影

塚田 勝弘

中古車の広告代理店に数ヵ月勤務した後、自動車雑誌2誌の編集者、モノ系雑誌の編集者を経て、新車やカー…