キャブレターの代表格、ソレックス40φを徹底的に見てみよう!

SOLEX40φの全貌 その① 【G-ワークスアーカイブ】

サニーやスターレットなどの小排気量エンジンに装着されることが多いソレックス40φ。ソレックスの中では小径のキャブレターだ。チューニングが進んでいくと大口径に目が移りがちだが、ソレックスの基本形は40φにあると言っても過言ではない。ソレックス40φを全バラにして、あらためてソレックスの全貌と魅力に迫っていくことにしよう!

様々な工夫が随所に光る

正式名と意味を知る

普段は「ソレックス40φ」と呼ぶけど、正式には『ミクニソレックス40φPHH』と言う。ソレックス以降の数字とアルファベットにも意味があり、40φはインマニ側口径を㎜で表し、Pはポンプ、Hはホリゾンタルを表す。ホリゾンタルとは水平という意味で、ソレックスではサイドドラフト形式を指し、PHHで加速ポンプ付サイドドラフトを意味する。

キャブレターの代表格ソレックス40φを見る

今から60年以上前の1960年頃、フランスのソレックス社からライセンスを取得した三國工業により、生産が開始されたソレックスキャブレター。

当時はすでにウェーバーキャブレターが国内に輸入されていたが、国内生産をするソレックスは、輸入品のウェーバーより価格面で優位に立ち、性能面でも遜色ないということから、一気にメジャーになった。自動車メーカーにも純正採用され、さらに製作精度も上がり、2型から3型、4型、S型、5型へと進化していった。

ここでは数多いソレックスの中からソレックス40φに絞り、中でも一般的に流通している物が多い、4型をバラシて詳しく見ていくと共に、セッティングのコツなども解説しているので、じっくりソレックスを楽しんでほしい。

ジェットブロックが取り付けられるブロックの部分は分離する(一般非分解指定)が、他の部分は一体で鋳造されている。写真の4型ボディはアルミダイキャスト製で、ボディに開けられる各穴は精度が要求され、加工精度の高さが性能を左右する。
ジェットブロック
メインジェットで計量されたガソリンと、エアジェットで計量された空気を混合(ミックスチャー)させる役割を持つ。
ブリードパイプ
モノジェットタイプはジェットブロックの中にブリードパイプが入っており、このブリードパイプが混合させる。
メインジェット
ジェットブロックの下側に取り付けられ、フロート室から流れるガソリンを計量する。
エアジェット
ジェットブロックの上側に取り付けられ、ジェットブロック内に流れる空気を計量する。
パイロットジェット
アイドリング領域から低速領域に、ガソリン流量を計量する役割を持っている。
パイロットスクリュー
アイドリング領域から低速領域で作動するアイドルポートから流れる混合気量を調節する。
ポンプジェット
加速ポンプが作動し強制的にガソリンを噴射する時のガソリン量を決める役割を持つ。
スタータージェット
フロート室の底に取り付けられ、スロットル全閉時に負圧でガソリンを吸い出す。
ニードルバルブ
フロートチャンバーカバーに取り付けられ、フロートの上下によりフロート室にガソリンを供給する。
ブロック
ジェットブロックが取り付けられる部分のブロックを底側から見たところ。この部分は精度が要求されるため一般には非分解部分なのでバラさないで欲しい。
このSOLEX40φの全貌の記事は、令和に残るクルマ改造雑誌『G-ワークス』(毎月21日発売)に掲載された記事を引用・転載したものです。

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