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今回、コルトスピードのアウトランダーを取材する機会に恵まれ、それなら最新装備のデリカにも試乗しちゃえということで今回の企画が実現。試乗コースはコルトスピードから高速道路経由で一般道〜河川敷のオフロードへ。なんと今回、デリカ購入後1年にして、初めてオフロード走行を体験することに。編集部のデリカとどう違うかもしっかり体感した。
コルトスピードのデリカはコンプリートカーとしても販売されていて、ベーシックなVer・AからVer・Dまで4種類。今回試乗したのはフルコンプリートのVer・D 。約1インチのリフトアップが施されているとともに、COX製ボディダンパー&エンジンルームにはストラットタワーバーが装着されていて、走りのテイストがかなり上質になっているという。ホイールはレイズのデイトナM8(16インチ)に、タイヤはBFグッドリッチのATの組み合わせだが245/70Rと通常よりはサイズアップ。
対して編集部のデリカは、ホイールはクリムソンのコロラド16インチにタイヤはジオランダーX‐AT(235/70R)。本来なら野や山を駆けるのがとてもよく似合うタイヤなんだけれど、残念ながらこの1年は高速を使っての長距離ドライブがほとんど。足回りは走行距離19万㎞オーバーと過走行なだけにブッシュ類交換&ショックもカヤバに交換も車高はノーマル。
今回、撮影も兼ねてのオフロード走行は、それだけに期待感も大きかった。結論、泥遊びはやっぱいくつになっても楽しいものだ。ゆるめな勾配だけれど、ゴツゴツとした石ころだらけの河川敷を4WDにして走る。やっとデリカの真骨頂を体験したというわけだ。
河川敷のオフロードを走ってまず感じたのは、2台のデリカの違いはちょっと例えが唐突だけれど、コルトスピードのデリカは前後にサスペンションを装備したフルサスのマウンテンバイク。対してオイラのデリカはフロントサスだけのマウンテンバイク。
なんでこんな例えを出すのかというと、実は先月奥日光の林道をマウンテンバイクで走行した際、下りでスピードを上げたいけれどフロントサスだけだと振動でアイウエアは飛んでいきそうだし、なにより前方視界が揺れまくって定まらず結果スピードを上げられない。そこでフルサスに乗り換えると、前後サスが振動を吸収してくれるから体も前方視界もそこまでは揺れないので、安定してスピーディに下れた。もちろんそこまで極端に違いがあるわけではないけれど、コルトスピードのデリカにはそうした走りの上質さが感じられた。
これは主にボディダンパーの効果で振動を抑えているからだろう。もちろんデリカ自体はオフロードの走破性は他のミニバンに比べても抜きん出ているから、現状でも全然満足。でも高速での長距離移動が多いことを考えたら、実はそこでの差が大きそう。高速での帰路に、その走りの滑らかさを実感した。
DELICA D:5 CROSS VERSION Ⅱ COMPLETE CAR(コルトスピードのコンプリートカー/写真左の主要装備)
リフトアップサスペンションキット 6万500円
リアキャンバー調整アッパーアーム 6万500円
上記コンプリートキット 11万8800円
COXボディダンパー 15万4000円
ストラットタワーバー 3万7400円
ボンネットダンパー 2万2000円
ハイパフォーマンスブレーキパッド(前後セット) 5万5000円
スーパーステンレスマフラー 7万2600円
エアロサイドバイザー 2万8600円
マルチファンクションLEDブルーミラー 3万5200円
XPELプロテクションフィルム
フェンダーガーニッシュ:JAOS
ホイール:RAYS TEAM DAYTONA M8(16×7 +37)
タイヤ:BFグッドリッチ All-Terrain T/A KO2 (245/70-16)
コルトスピード 046-220-5610 http://www.colt-speed.com
「この先、末永く乗り続けるためにもぜひ走りの方も仕上げていきましょう」
コルトスピードのデリカ、リフトアップしていかついタイヤを履いているのに、それを意識させないほど“普通”に走れることに驚きました。チューニングとしてはローダウンよりもリフトアップのほうがはるかに難しいはずのところ、動きに違和感もないし重々しさも感じられません。
乗り心地もぜんぜん悪くないし、むしろフラット感があるほどで、乗り物酔いもしにくそうです。これなら大人数を乗せて長距離をドライブしても同乗者から不満の声が出ることもないでしょう。
リフトアップするとタイヤがVの字になってしまうことにもちゃんと対処されています。
エンジンも吹け上がりが軽やかで、心なしかディーゼルで気になりがちな音や振動までもずいぶん気にならなくなっているように感じました。
さらに驚いたのがオフロードです。大きな段差を乗り越えたときも思ったよりもガツンと来なくて、衝撃の伝わり方がマイルドで頭や身体があまり揺すられない感じがします。おかげで舗装路だけでなくオフロードを走っても乗りやすくて快適に感じられました。
同じ場所を編集部号で走ってみると、やはりそれなりに違いは感じました。とはいえ、もともとD:5はミニバンとしては剛性が高いほうだと思っていますが、編集部号も20万km近くもの距離を走った個体のわりにはしっかりしているし、コンディションはかなりよいように感じました。エンジンもやけにスムーズで調子よさそうだなと思ったら、それなりに手を入れているそうで納得です。
ただし、ノーマルの足まわりにこのタイヤ&ホイールだと、ちょっと厳しい気もします。ずっとユサユサと振動しているし、 ステアリングのセンターもユルいのは否めません。この先も長く乗るおつもりでしたら、ぜひまずボディダンパーを装着することをオススメしたいです。できればタワーバーもあるとなおよいですね。装着するときっとそのあたりが見違えるはずだし、入力の伝わり方がマイルドになるので車体も長持ちするはずです。
装着によるメリットはたくさんあるけど、デメリットはありませんからね。かかる金額よりも得られるものはずっと大きいのではないかと思います。
そもそもD:5はマイナーチェンジの前後で完成度がぜんぜん違うのですが、こうしたパーツを適宜追加することで、前期型でも後期型の走りに近づけることができるはずです。
せっかく車内も外見もバッチリ仕上がっているので、ぜひ走りのほうも仕上げていきましょうよ!
[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]