街中の走行では主にモーター駆動! 新型フリードのe:HEV走行モードってどんな走り?

新型フリード、購入するならやっぱり「e:HEV」? 「ガソリン」車も試乗してわかった大きな違いとは?

3代目となる新型フリードは2列目を中心とした居住性の向上をはじめ、荷室の利便性の進化など、コンパクトミニバンに必要な機能性向上を目指した。
同時に2モーターハイブリッド「e:HEV」を搭載することで走りを磨き上げ、純ガソリン車を含めた静粛性や乗り心地の向上など、着実な進化を遂げた。

全面刷新した足回りや乗り味はどう変わった?

 ホンダの登録車を牽引するフリードは、失敗が許されないモデルだ。先代から車体を踏襲し、定評あるパッケージングを大きく変えずに登場させたのは妥当だろう。ハイブリッドは「e:HEV」搭載に伴い全長(フロントオーバーハング)が45mm伸び、「クロスター」系はホイールアーチプロテクターにより25mm拡幅し、3ナンバー枠に突入。とはいえ、最小回転半径は先代同様に5.2mにとどめている。「クロスター」系は新型登場時から初めて設定(先代は改良時に追加)されたこともあり、大胆なエクステリアが与えられた。一方の「エアー」系はステップワゴンでもお馴染みで、シンプルでスタイリッシュな外観が目を惹く。

装備ではコンパクトミニバンでは初となるリアクーラーの設定やエアコン連動型シートヒーターの採用など、快適性も引き上げられている。シートは2列目がキャプテンになる3列6人乗りのほか、2列目がベンチシートになる3列7人乗り、2列5人乗りを設定している。「クロスター」系に消費税免税となる「スロープ」を設定し、車椅子の搭載だけでなくアウトドアユースも想定するなど、選択肢を広げている。

ハイブリッドの「e:HEV」化はモーター走行の領域が拡大し、エンジンが始動しても発電に徹するためEV度合いが高まった。発進時からスムーズそのもので、シリーズハイブリッドの利点を感じさせる。一方の純ガソリンエンジン車も直噴からポート噴射に変わったことで静粛性が向上するなど、より洗練された走りを享受できる。今回は、走りを中心に新型フリードの進化に迫った。

e:HEV AIR(6人乗り) 
全長×全幅×全高(mm) 4310×1695×1755(2WD)、1780(4WD)
室内長×室内幅×室内高(mm) 2645×1470×1270 
WLTCモード燃費消費量(km/L) 25.6(2WD)、21.3(4WD)
エンジン排気量・種類 1496cc・直列4気筒DOHC+モーター
最高出力[kW(ps)/rpm] 78(106)/6000-6400
最大トルク[Nm(kgf・m)/rpm] 127(13.0)/4500-5000 
最高出力[kW(ps)/rpm] 90(123)/3500-8000
最大トルク[Nm(kgf・m)/rpm] 253(25.8)/0-3000 
乗車定員(名) 6 
タイヤサイズ 185/65R15
価格 285万7800円(2WD)、308万8800円(4WD) 

スムーズな走りで、加速感も十二分は【ハイブリッド】

街中ではエンジンで発電し、モーターで駆動するシリーズハイブリッドの利点を享受できる。先代の「i-DCD」はエンジン主体だったが、モーター駆動になったことで発進から加速域まで十分に力強く、スムーズそのもの。エンジン始動時の音も小さく、EVのようにモーター音のみというわけではないが、静粛性も高い。CVTは、リニアシフトコントロールの採用により加速とエンジン音、ドライバーが抱く加速感のズレがなくリニアになっている。

高速域ではクラッチがつながり、エンジン駆動になるため音もそれなりに高まるが、法定速度内であれば1列目と3列目間の会話も大声を張り上げなくてもできる。またフラットライドといえる乗り心地の良さも美点で、ホンダ新型車の登場一発目にありがちな足の硬さも感じさせない。3列目は音/振動は大きめになるが、完成度はかなり高い。「e:HEV」は良い意味での重厚感もあり、自然なステアフィールや扱いやすいコーナリングマナーなど、先代や純エンジン車よりも走りに高級感がある。

【e:HEV走行モード】

【ハイブリッドモード】

【エンジンモード】

【e:HEV×リアルタイムAWD】

新型フリード「ガソリン車」の試乗記事はこちらから

STYLEWAGON(スタイルワゴン)2024年10月号より

[スタイルワゴンドレスアップナビ編集部]

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