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「8.5」世代になった最新ゴルフは走りと使い勝手をアップデート
前項で触れたように、VWの近年の売れ筋モデルは、3代目に移行したミドルサイズSUVのティグアンだが、2024年に50周年を迎えたゴルフこそが同社のアイコンなのは間違いない。世界累計販売台数3700万台を突破しているゴルフは、Cセグメントのベンチマークとして自他ともに認めるところ。
ビッグマイナーチェンジを受けて25年1月から販売を開始されたいわゆる8.5世代目は、現行型のハンドリングと乗り心地の好バランスや高い静粛性はそのままに、内外装を刷新している。外観はよりスマートになり、内装は最新のインフォテイメントシステムや12.9インチ大型ディスプレイの採用により先進的な仕立てになった。
エンジンにも一部手が入れられている。改良前の1.0L直列3気筒を1.5L直列4気筒に排気量を拡大した。これによりベースグレードである「e TSI Active」系は、116PS/220Nmになった。中級仕様以上の「e TSI Style/R-Line」は、150PS/250Nmの高出力版になる。このガソリンターボの「eTSI」は、48Vマイルドハイブリッドが組み合わされている。そのほか、2.0Lディーゼルターボの「TDI」、「GTI」と「R」には出力が異なる純ガソリン仕様の2.0Lターボが搭載されている。
試乗したのは、高出力版である「e TSI Style」のヴァリアントで、改良前の1.0L直噴ターボと比べると、40 PS/50 Nm増となるだけに明確に力強い。さらに、同じエンジンを積むティグアンよりも190kg、パサートよりも160kg軽いこともあり、ワゴンボディであってもハンドリングも含めて軽快さが際立っている。街中のストップ&ゴー程度であれば、出力は高くはないがモーターアシストもあってターボラグを抱かせずにすむのも美点だ。試乗車は225/45R17タイヤを装着していたが、18インチを履く「R-Line」よりも乗り味とのバランスがいいのも容易に想像できる。さらに、パサートと同様に、リヤに大開口部を備えるとは思えないほどボディの剛性感が高く、空荷で乗っても上下動を感じることもない。ヴァリアントは、ハッチバックよりも50mm ロングホイールベース化されていて、後席足元も明らかに広いだけに4人乗車にも向く。こうした動的質感の高さは、同乗者にとってもうれしいポイントだ。
ハッチバックには、ゴルフの顔ともいえる「GTI」に試乗した。大幅改良で最高出力が20 PS増の265PSになった最新版は、同時に乗り比べない限り、公道でその恩恵を実感するのは難しいかもしれない。しかし、瞬時に変速する7速DSGとターボらしい過給後の鋭い加速フィールは痛快そのもの。「コンフォート」モードなら乗り心地もいい。「S」モードにすると中低速域では振動が大きめになるが、減速時にブリッピングしながらコーナーを駆けるのも楽しく、法定速度内でも十分に楽しめる。次期GTIの電動化がアナウンスされているだけに、純ガソリン車としては最後の乗り時が近づいている。









Golf Variant(sTSI Style)
●全長×全幅×全高:4640×1790×1485mm
●車両重量:1410kg
●エンジン排気量・種類:1497cc・直列4気筒DOHCターボ
●エンジン最高出力・最大トルク:110kW(150PS)・250Nm(25.5kgm)
●モーター最高出力・最大トルク:14kW・56Nm
●乗車定員:5名
●タイヤサイズ:225/45R17
●価格:457万7000円
史上最速のゴルフGTIは20 PSアップで265PSに!





東京オートサロン2025で 新型ゴルフRを披露


輸入SUV販売台数1位のTクロスもマイナーチェンジ


STYLEWAGON(スタイルワゴン)2025年4月号より

[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]