2010年代初めには、ハンズオフ実現に向けた技術ロードマップを公開
海外の自動車メーカーの中で、自動運転技術を活用した先進運転支援システムを早い段階から積極的に開発し、そして量産してきたのがアメリアのGM(ゼネラルモーターズ)です。
GMはさまざまなブランドを展開していますが、その中で高級ブランドとして名高いキャデラックが採用しているのが「スーパークルーズ」です。2010年代初めの段階で、ドライバーが走行中にハンドルから両手を離した状態を維持する「ハンズオフ」の実現に向けた技術ロードマップを公開していました。
その時点では、先に紹介したアウディはCESでさまざまなプレゼンテーションを行う前でしたし、日本ではスバルが「アイサイト」で衝突被害軽減ブレーキの普及初期段階でしたので、「ハンズオフ」走行は「実現は難しく、できたとしても2030年代に入ってからではないか?」というのが自動車業界での大方の見方でした。
ところが、現時点(2023年4月)の世の中の状況を見ると、海外でも日本でも「ハンズオフ」での自動運転レベル2を装備する新型車が増えている状況です。
そうした中、キャデラックでもスーパークルーズ最新版が標準装備されています。
さらにGMは、自動運転レベル3からレベル4にかけて、新たなる自動運転システムを「ウルトラクルーズ」と名付けて早期の量産化に向けた準備を進めている段階です。
GMはピックアップトラックやSUVを主体とした、EV構想「アルティウム」に積極的に投資しており、「ウルトラクルーズ」もそこに連動するようです。
PROFILE 桃田健史
1962年8月、東京生まれ。日米を拠点に、世界自動車産業をメインに取材執筆活動を行う。インディカー、NASCARなどレーシングドライバーとしての経歴を活かし、レース番組の解説及び海外モーターショーなどのテレビ解説も務める。日本自動車ジャーナリスト協会会員
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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]