【連載 ミニバンの起源 5-2】2002年、最高級ミニバンとして大ヒットを飛ばす、トヨタ・アルファードがデビュー!

反撃の狼煙、トヨタ・アルファード&ホンダ・エリシオン、エルグランドのライバルが続々【連載「ミニバンの起源」第5回 高級化の流れ 中編】

ホンダ エリシオン [2004年]
現在、トヨタのアルファード/ヴェルファイアが圧倒的人気の大型高級ミニバン市場。だが、この市場に火をつけたのはトヨタではなかった。1990年代、経営不振に苦しむ日産だったが、国内では無敵ともいえる大ヒットミニバンを世に送り出していた。高級ミニバンの元祖、エルグランドである。それに続いたのが、トヨタ&ホンダのあのクルマだ。

今に繋がる大ヒットミニバン、アルファードが登場

高級ミニバン合戦第一幕で日産に惨敗したトヨタはエスティマというミニバンに目をつけた。エスティマは2000年に2代目が登場してFFベースとなったが、高い人気を維持していた。

トヨタはこのエスティマをベースに高級ミニバン「アルファード」を完成させ、エルグランドのモデルチェンジに合わせるように2002年に市場に投入した。グランビアの反省から大型のメッキグリルを備え、内装も豪華絢爛。エンジンは3L V6に加え、2.4L直4も設定した。この直4モデルが意外な人気で、ついにエルグランドを逆転し大型高級ミニバントップの座に躍り出る。焦った日産は、2004年に慌ててエルグランドに2.5L V6搭載車を追加したほど。しかし、これでもアルファード人気は衰えなかった。

オデッセイ、ステップワゴンと大ヒットミニバンを世に送り出したホンダも続く。高級ミニバンは価格が高く魅力的な市場ゆえ、参入しない手はない。そこでホンダは2004年、エリシオンを市場に投入する。

だがアルファードやエルグランドとは明らかに毛色が違った。じつはエリシオン開発当初、ターゲットとしたクルマはエスティマだった。だがアルファード人気に煽られ、高級ミニバン市場に食い込むことを余儀なくされてしまう。2006年にはアルファードばりの巨大なフロントグリルを装備する「エリシオン・プレステージ」も登場したが、アルファード人気に及ばず2013年に消滅してしまった。

「これからのワンボックス」になるはずだった、グランビア

「これからのワンボックスカー」をコンセプトに1995年に登場したトヨタ・グランビア。欧州向けのハイエースをベースにしたモデルゆえ、内外装とも高級感に乏しくあっさりした印象のミニバンだった。

1997年には弟分として5ナンバーサイズの「ハイエースレジアス」が登場。そして初代エルグランドの大ヒットに触発され、1999年のマイナーチェンジでは巨大なグリルを装備する押しの強い外観となった。豪華装備を追加して高級化を図るとともに、兄弟車として「グランドハイエース」を新設定する。搭載エンジンは当初2.7L直4がメインだったが、1997年に3.4L V6を追加搭載してエルグランドに対抗したが、太刀打ちできなかった。

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[スタイルワゴン・ドレスアップナビ編集部]

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