フローティング大画面が魅力のディスプレイオーディオ

カーナビ機能やオーディオ音源をスマートフォンに任せ、ユニットとしてのカーナビを求めないユーザーが増えた。一方で、スマートフォンのナビゲーションを大画面に表示させたい、楽曲は良いサウンドで聴きたい、というユーザーも少なくない。

カロッツェリアのカーナビ「サイバーナビ LIMITED EDITION」(上)とディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」(下)。

そんなユーザーが買い求めるのがディスプレイオーディオだ。カロッツェリアもディスプレイ内蔵型の2DINモデルや、1DINユニットにフローティングディスプレイを備えたモデルを展開。特に、DINサイズに留まらない大画面が可能なフローティングタイプの「DMH-SF」シリーズが人気を集めている。

フローティングタイプのディスプレイを採用したカロッツェリアのディスプレイオーディオ。本体は1DINサイズ。

その「DMH-SF」シリーズの最新にしてトップモデルとなる「DMH-SF1000」が発売された。そのトップモデルたる性能を実際に体感した。

ディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」とカスタムフィットスピーカー「C」シリーズ(TS -C1740S)。

「Dolby Atomos」と「空間オーディオ」とは?

「DMH-SF1000」の最大の特長となるのが「Dolby Atomos」による「空間オーディオ」再生だ。

Dolby Atomos(ドルビー・アトモス)は、米ドルビーラボラトリー社が開発した立体音響技術。

カーオーディオのサラウンド再生となると、普通なら5.1チャンネル(フロントスピーカー×2、リヤスピーカー×2、センタースピーカー×1、サブウーファー×1)や、最近の高級車では10.1チャンネルの音響環境が必要になる。

「空間オーディオ」と「サラウンド」の違い(イメージ)。

「空間オーディオ」はいわばこのサラウンド再生のことなのだが、「DMH-SF1000」なら「Dolby Atomos」音源であれば前後4つのスピーカーだけでサラウンド再生が可能になる。さらにすごいのは、新たに搭載された「ステレオスペーシャルサウンド※」により、「Dolby Atomos」ではない通常音源でもサラウンド再生になるのだ。これがただのサラウンド再生と「空間オーディオ再生」の大きな違いだ。
※Apple CarPlay、Android Auto音源のみ

「DMH-SF1000」の「空間オーディオ」技術。

カーオーディオでの音作りに長い歴史と知見をもつパイオニアのチューニング技術により、クルマごとに自動的にセッティングされるので(AUTO TA&EQ)、イコライザーなど難しいセッティングも不要で、スピーカーが少なくても没入感のあるサウンドが楽しめるようになる。

Auto TA&EQにより、室内環境やオーディオシステムに合わせて自動的に設定。ヘッドレストに専用マイクを装着して設定を行なう(右下写真)。

VWゴルフIIで「空間オーディオ」を体感!旧車オーナー必見

デモカーのVWゴルフII(車掌協力:tokyo basic car club)。

用意されたデモカーは、なんとVWゴルフIIだった。1983年〜1992年に生産された、ネオクラッシックな輸入車。日本におけるドイツ車の好イメージと高い実用性、輸入車としてはお求めやすい価格などから人気を集め非常に売れたモデルだ。もちろん、今でも人気はあるが流石に街で見かける機会は少なくなった。

デモカーのVWゴルフII。

そんなゴルフIIに「DMH-SF1000」をインストール。チューンナップトゥイーターのスタンダードモデル「TS-T740」を追加し、リヤスピーカーを新製品となるボックス型スピーカー「TS-X40」に交換。サブウーファー「TS-WX140DA」も追加している。ただし、フロントドアのスピーカーはノーマルのままだ。

デモカーのVWゴルフIIのコックピット。センターコンソール最上段のDINスペースに「DMH-SF1000」を収め、ダッシュボード左右上面にチューンナップトゥイーター「TS-T740」を載せる。フロントドアスピーカーは純正。
ラゲッジルペースのとのボード上に置かれたボックス型リヤスピーカー「TS-X40」。
サブウーファー「TS-WX140DA」は右フロントシート下に設置。

実際に楽曲を視聴してみると、まるで包まれるようなサウンドに驚いた。車内という環境は普通ならサウンドが後左右のウインドウやボディ内側に反響して聞こえてくる。その反響も含めて音場づくりがなされるが、このデモカーではまるで天井や耳元に楽曲が直接聞こえてくるようなサウンドが味わうことができた。

「空間オーディオ」再生のイメージ。

「Dolby Atomos」音源は立体音響再生を前提にしているが、再生環境にもそれ相応のシステム(5.1チャンネルなど)が求められるが、「DMH-SF1000」はそれ無くして再生を実現しているのだ。さらに驚きなのは、「Dolby Atomos」音源でなくとも「Dolby Atomos」のような、包まれるような3次元サウンドを体験できたことだ。

2チャンネルステレオ音源を立体感のある「空間オーディオ」として表現するパイオニアの独自技術「ステレオスペーシャルサウンド」。

フロントにトゥイーターを追加し、最新のボックス型スピーカーにサブウーファー追加とそれなりに充実したシステム構成ではあるが、ノーマル+αくらいのオーディオカスタムで立体音響を味わえたのは確かに驚きだ。逆に、トゥイーターとサブウーファー無し、ノーマルスピーカーのみでどこまで再現されるのかも気になるところではある。

デモカー(VWゴルフII)に装着された「DMH-SF1000」。
デモカー(VWゴルフII)に装着された「TS-X40」。

そいう意味では、同じ「DMH-SF1000」搭載のデモカーでも、ボックススピーカー「TS-X40」に加え、カスタムフィットスピーカー「TS-C1740S」をインナーバッフル付きで装着していたスズキ・スイフト(現行モデル)や、カスタムフィットスピーカー「TS-C1746S」に加えサブウーファー「TS-WX140DA」を装着したトヨタ・アルファード(30系)は、同じ「空間オーディオ」でも、もちろんそれは素晴らしいものではあったが、驚きという面ではゴルフIIでの体験がまさった。

デモカーのスズキ・スイフト。ディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」、ボックススピーカー「TS-X40」、カスタムフィットスピーカー「TS-C1740S」、インナーバッフル「K626」、トゥイーター取り付けキット「UD-K309(スイフト専用)」というシステム構成。

『サイバーナビ』との方向性の違い

「DMH-SF1000」の参考価格(体験会当日お持ち帰り価格)は14万8000円。

カロッツェリアのオーディオシステムとしては、カーナビのトップモデルである『サイバーナビ』も挙げられる。限定ではあるものの、『サイバーナビ』史上最高音質の「LIMITED EDITION」も同時にお披露目されている。しかし、「空間オーディオ」はディスプレイオーディオの「DMH-SF1000」のみに採用されているのだ。

『サイバーナビ LIMITED EDITION』

その違いは、求める方向性にあるという。『サイバーナビ』は視聴者の主体をドライバーとし、その目の前で演奏・歌唱されているような圧倒的な臨場感のあるサウンドを目指している。一方で「DMH-SF1000」の「空間オーディオ」は包み込まれるような3Dサウンドを、なおかつスピーカーのパワーアップやサブウーファーの追加無しでも可能とするところにある。

「カロッツェリア」40年の進化の現在地!『サイバーナビ LIMITED EDITION』の圧倒的な高音質サウンドを体感する!! | Motor Fan|自動車情報のモーターファン

「カロッツェリア」カーナビのトップモデル『サイバーナビ』40周年記念モデル『LIMITED EDITION』は4000台限定 カロッツェリアのカーナビは上位モデルである『サイバーナビ』とエントリーモデルの『楽ナビ』がライ […]

https://motor-fan.jp/article/1547611/
『サイバーナビ LIMITED EDITION』 体験レポート

同じオーディオカスタムでも、ユーザーの好みやクルマに合わせて極上のサウンドを異なる方向性で選ぶことができる、カロッツェリアのカーオーディオラインナップの幅広さは嬉しい限りだ。

旧車でもオーディオカスタムを楽しめるカロッツェリアのラインナップ

昨今はデモカーとして用意されたVWゴルフIIのように「ネオクラシック」や「ネオヒストリック」といった1980年代〜1990年代のクルマが人気を集めている。そうしたクルマも、オーディオも含めて”当時モノ”として楽しむのは良いが、いざ壊れるとヘッドユニットにしろスピーカーにしろ代替品を探すのは難しい。

カロッツェリア40周年記念展示。1980年代から2010年代まで、カーオーディオシーンやカーナビシーンを彩った名機が並ぶ。

また、オーディオにせよカーナビにせよ”スマートフォンで十分”という向きもあるが、やはり大画面や高機能なヘッドユニットが便利なのも確か。

デモカー(VWゴルフII)に装着された「DMH-SF1000」。旧車でこの10.1V型の大画面を実現でききる。

そういう意味でも上で体感した「DMH-SF1000」はユニットを1DINサイズに収めながら、フローティングレイアウトの10.1V型の大画面ディスプレイを備えるという貴重なモデル。ディスプレイとコンソールパネルのインターフェイスの兼ね合いはあるが、旧車でもAV性能を高めたいオーナーにはうってつけだ。

デモカー(VWゴルフII)に装着された「DMH-SF1000」。本体は1DINスペースに収まり、ディスプレイ位置も上下に調整可能。ゴルフIIはセンターコンソールのインターフェースとの干渉は起きないようだ。

加えて、カロッツェリアはスピーカーラインナップにも一石を投じた。カスタムフィットスピーカーやチューンナップトゥイーターは非序に優秀で、これだけでもオーディオ環境はかなり向上する。これにリヤスピーカーも加われば鬼に金棒。旧車ならリヤシート後方にボックス型スピーカーを置きたいところだ。

パイオニアが1984年にリリースしたボックス型スピーカー「TS-X60」。

しかし、これまでラインナップされていたボックススピーカーは角の取れた外観で、旧車に装着するにはデザイン的にミスマッチ。旧車ならやはり四角いスピーカーで当時感を大事にしたくなる。

7月発売予定のボックス型スピーカー「TS-X40」。

なんとカロッツェリアはブランド40周年ということもあり、この令和の時代に当時デザインのボックススピーカー「TS-X40」をリリース。最新の性能を1980年代に人気を博した「TS-X60」のリバイバルとも言えるデザインに詰め込んだのだ。「TS-X40」はオーディオカスタムしたい旧車オーナーなら見逃せない逸品と言えるだろう。

「TS-X40」を装着したデモカー(VWゴルフII)。外から見てもはっきりわかる本体と、ブルーに光るカロッツェリアロゴが所有満足度を高める。ロゴは光っていなくても白文字ではっきりと見えるようになっている。

フォトギャラリー:カロッツェリア「DMH-SF1000」&「TS-X40」

ここまでの画像や、本文にはない画像はページトップの「この記事の画像をもっと見る(44枚)」で見ることができる。カロッツェリア注目の新製品を写真でじっくりと見てほしい。

ディスプレイオーディオ「DMH-SF1000」とボックス型スピーカー「TS-X40」。