電気自動車(EV)の補助金とは

電気自動車(EV)の補助金とは、電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV/PHEV)、燃料電池車(FCV)などを購入する際に、その費用の一部を国が負担する制度です。正式には「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金(CEV補助金)」と呼ばれており、環境性能の高いクリーンエネルギー車が対象となります。

さらに、国のCEV補助金に加えて、居住する自治体が独自に補助金を交付している場合もあります。両制度を併用できる場合は、受け取れる総額を増やせる点がメリットです。

なお対象車種や補助額は一律ではありません。一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)が公表する補助対象車両一覧において、車種やグレードごとに個別の金額が設定されています。以下、詳しく解説します。

参考:一般社団法人次世代自動車振興センター

EVの補助金の種類①|車両購入に使える補助金

・BEV(純電気自動車)
・PHEV(プラグインハイブリッド車)
・FCV(燃料電池自動車)
・超小型モビリティ

ここでは、BEV・PHEV・FCV・超小型モビリティといった車種別に、CEV補助金の上限額の目安を紹介します。あわせて、各カテゴリーに該当する代表的な車種と、2026年4月以降に新車登録した場合の補助金額の例も確認していきましょう。

BEV(純電気自動車)

BEV(バッテリー式電気自動車)とは、外部からの充電のみで走行する純粋な電気自動車です。エンジンを持たず、モーターのみを駆動源とする点が特徴といえます。

2026年4月以降に新車登録した普通乗用BEVは、CEV補助金の上限額が130万円に増額されました。一方、軽EVの上限額は58万円のまま据え置かれています。

2026年4月以降新車登録した場合補助金の例】

・トヨタ bZ4X:130万円
・日産 リーフ:129万円(2026年12月末までの登録)
・テスラ モデルY:127万円
・スズキ eビターラ:127万円(2026年12月末までの登録)
・日産 サクラ(軽EV):58万円

PHEV(プラグインハイブリッド車)

PHEV(プラグインハイブリッド車)とは、外部からの充電と内燃エンジンの両方を備え、走行状況に応じてEV走行とガソリン走行を切り替えられる車種です。2026年4月以降に新車登録した場合の補助上限額は、60万円から85万円に引き上げられました。

ただし、車両本体価格が税抜840万円以上の高額車両については、算定された補助額に0.8を乗じた金額に減額される点に注意が必要です。

なお、外部充電機能を持たない通常のハイブリッド車(HEV)は補助金の対象外となるため、HEVへの乗り換えを検討している場合は事前に確認しておく必要があります。

2026年4月以降新車登録した場合の補助金額の例】

・トヨタ RAV4 PHEV:85万円
・トヨタ プリウス PHEV:85万円
・トヨタ ハリアー PHEV:85万円
・トヨタ クラウンスポーツ PHEV:85万円
・トヨタ アルファード PHEV(Executive Lounge):68万円(高額車両のため減額)

FCV(燃料電池自動車)

FCV(燃料電池自動車)とは、水素と酸素の化学反応で電気を発生させてモーターを動かす車種です。走行中に排出するのは水のみで、ゼロエミッション車に位置づけられています。

2026年度のCEV補助金の上限額は150万円となり、従来の255万円から引き下げられました。

2026年4月以降新車登録した場合の補助金額の例】

・トヨタ MIRAI:150万円
・トヨタ クラウンセダン(FCEV):150万円

超小型モビリティ

超小型モビリティとは、1〜2人乗りを想定した小型・軽量の電動車です。普通車に比べて取り回しがしやすく、近距離の移動手段や高齢者の生活交通として注目を集めています。

CEV補助金の対象にもなっており、代表的な車種としてトヨタ「C+pod」が挙げられます。

2026年4月以降新車登録した場合の補助金額の例】

・トヨタ C+pod:約25〜35万円(グレード・給電機能の有無により異なる)

EVの補助金の種類②|自治体で上乗せできる補助金

自治体の補助金は、国のCEV補助金と併用できる場合がありますが、可否や条件は自治体ごとに異なります。申請先は、自治体ごとの公募要領・公式サイトで確認が必要です。

補助の上限額や対象車種、申請期間は自治体ごとに大きく異なります。東京都のように独自の補助制度を設けている自治体もある一方で、制度自体がない自治体も存在するため、購入前の事前確認が欠かせません。

最新の情報については、一般社団法人次世代自動車振興センターが運営する「地方自治体の補助制度一覧」や各自治体の公式サイトでまとめて確認できます。

EVの補助金の申請方法

・申請に必要な条件
・申請手続きの流れ

CEV補助金の申請には、車両登録後の手続きに加えていくつかの条件を満たす必要があります。ここでは、申請に必要な条件と、実際の申請手続きの流れを順番に解説します。

申請に必要な条件

CEV補助金の申請には、以下の2点が基本条件となります。

・補助対象車両を新車として新規登録していること
・登録時期や支払状況に応じた申請期限内に申請すること

割賦購入やリース契約でも申請は可能ですが、リース契約では処分制限期間以上の契約期間が必要です。また法人・個人のどちらも申請対象ですが、契約形態や車種で要件が異なるため、購入前に条件を確認しておく必要があります。

申請手続きの流れ

CEV補助金の申請手続きは、大きく5つのステップで進みます。

1.車両の新規登録
2.必要書類の準備
3.NeVへの申請
4.交付決定通知の受領
5.補助金の振込

手続きには専門的な知識が求められる場面もあるため、購入先のディーラーやリース会社に依頼すれば、申請のサポートを受けられることが多いです。

なお補助金は納車時にその場で値引きされる仕組みではなく、後日振り込みで交付される点に注意が必要です。購入時には一時的に車両代金の全額を支払う必要があることを、あらかじめ把握しておきましょう。

EVの補助金を活用する際のポイント

・年度ごとに補助上限額や交付条件が改定される場合がある
・先着順のため期限よりも前に申請が締め切られる場合がある
・交付後は保有条件の義務を守る必要がある

CEV補助金を活用する際には、事前に押さえておきたい注意点がいくつかあります。ここでは、補助内容の変動や申請期限、保有義務といった観点から、購入前に確認しておきたいポイントを解説します。

年度ごとに補助上限額や交付条件が改定される場合があ

CEV補助金の上限額や交付条件は、毎年見直しが行われています。2026年度は、普通乗用BEVの上限額が130万円、PHEVが85万円へと見直されました。

また、補助額はメーカーの取組や評価基準によって変動する場合があります。同じ車種であっても登録日によって補助額が異なるケースがあるため、インターネット上の記事情報が必ずしも最新とは限らない点には注意が必要です。

先着順のため期限よりも前に申請が締め切られる場合がある

国のCEV補助金は先着順で受け付けられます。そのため、予算の上限に達した時点で、申請期間中であっても受付が終了するリスクが常にあります。

受付終了見込み時期は年度ごとに公表されるため、申請前に最新情報を確認しておくことが重要です。とくに人気車種では予算の消化が早く、早期に締め切られる可能性が高い点を踏まえておく必要があります。

交付後は保有条件の義務を守る必要がある

CEV補助金を受け取った車両には、新規登録(届出)日から原則として4年または3年の保有義務が課されます。この期間内に売却や廃車をした場合は、補助金の全部または一部を返納しなければなりません。

またV2H充放電設備については、車両よりも長い5年間の保有義務が設定されているため、設置後に機器を処分する際は特に注意が必要です。リース契約であっても同様の保有義務が適用されるため、残価設定ローンや短期リースを検討する場合は、契約期間と保有義務期間の整合性を事前に確認しておく必要があります。

電気自動車(EV)の補助金に関するよくある質問

ここでは、電気自動車(EV)の補助金に関するよくある質問に回答します。申請前に気になりやすいポイントをまとめましたので、あわせてご確認ください。

Q. 補助金を受け取ったあと、確定申告は必要ですか?

A. 確定申告が必要かどうかは、補助金の扱いや申告状況によって異なります。固定資産の取得や改良に充てた国庫補助金等については、一定要件を満たすと『国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書』を添付して総収入金額に算入しない取扱いを受けられます。

ただし、個人のEV購入にそのまま当てはまるかは利用目的等で異なるため、税務上の扱いは個別確認が必要です。

Q. 補助金を受け取った後に引越しをした場合、保有義務に影響はありますか?

A. 引越しをしても、直ちに財産処分に当たるとはされていません。ただし、住所変更があった場合の手続は交付決定前後で異なります。交付決定前は次世代自動車振興センターへ問い合わせ、交付決定後は変更届出書の提出が必要です。車検証の住所変更もあわせて進めましょう。

Q. 補助金はいつまで続きますか?

A. CEV補助金は、年度ごとの予算の範囲内で交付される制度であり、明確な終了時期は定められていません。令和7年度補正予算では約1,100億円が確保され、2026年度中の活用が想定されています。ただし予算が上限に達すると年度途中でも受付が終了するため、早めの申請が重要です。

Q. 中古の電気自動車(EV)は補助金の対象になりますか?

A. CEV補助金の対象となるのは、新車として新規登録した車両のみです。中古の電気自動車を購入した場合、CEV補助金の交付対象には含まれません。一方で、自治体によっては中古車向けの独自補助制度を設けている場合もあるため、購入を検討している地域の制度を個別に確認しておく必要があります。

Q. 電気自動車(EV)充電設備に対しての補助金制度はありますか?

A. 電気自動車(EV)の充電設備についても、CEV補助金の枠組みの中に専用の補助制度が用意されています。具体的には、自宅などに設置する充電設備への補助金や、V2H充放電設備・外部給電器を対象とした補助金が、車両購入の補助金とは別枠で設けられています。設置を検討している場合は、車両の補助金とあわせて活用を検討しましょう。

自宅EV充電器の設置と補助金については、こちらをご参照ください


電気自動車(EV)の補助金を活かして賢く購入計画を立てよう

電気自動車(EV)の補助金は、購入費用の負担を抑えられる制度です。2026年度は、普通乗用BEVで最大130万円、PHEVで最大85万円、FCVで最大150万円の補助を受けられる可能性があり、自治体の補助金を併用できる場合もあります。

一方で、補助額や対象車種、申請期限は年度や登録時期によって変わるため、購入前に最新の条件を確認することが重要です。申請は先着順で、交付後には一定期間の保有義務もあるため、車両選びから申請時期まで含めて計画的に進めましょう。