先進安全装備を大刷新 高次元な悪路走破性は必見

ジムニーが現行JB64型にフルモデルチェンジしたのは2018年。7年目となった昨25年も、月平均の販売台数は約4300台を記録しており、人気はまったく衰えていない。納期はグレードや地域によって違いがあるとはいえ、半年〜3ヵ月は見込んでおいた方がよさそうだ。

エクステリア

悪路を走ることに特化し、無駄を削ぎ落とした機能美は唯一無二。「XC」には16インチのアルミホイールが標準装備されるが、アイコンでもある背面のスペアタイヤには全車スチールホイールが備わる。最小回転半径は4.8m。

スズキ車の例に漏れず、年次変更を繰り返しており、現在のモデルは25年10月に改良が加えられた〝5型〞となった。主な変更点は、衝突被害軽減ブレーキが〝デュアルセンサーブレーキサポート(DSBS)Ⅱ〞にアップデートされ、右左折時や出会い頭事故にも対応可能になったことやアダプティブクルーズコントロールが付いたこと。「ジムニーにそんなものいらない」と憤ったユーザーも少なくないようだが、衝突被害軽減ブレーキの性能向上は必要だ。トランスファーレバーで〝4L〞を選択するとDSBSⅡはオフになるため、オフロード走行を邪魔することもない。ACCはロングドライブ時の疲労軽減に有効だし、ハードウェアにコストは掛からない。

乗降性

また、前後バンパーにはそれぞれ4つの超音波センサーが装備され、障害物に近づくと警報音が鳴るが、これもスイッチ操作でオフにできる。難点があるとすれば、ウィンチの装着に制約が出ること。5型発売前のウィンチベッドでは、レーダーのレイアウトや検知性能に影響が出る可能性があるため、装着を考えている人は、意中のアフターパーツメーカーに確認しておこう。

インストルメントパネル

無骨な雰囲気ながら、2025年10月の一部仕様変更で「XC 」と「XL」にスズキコネクト対応9インチディスプレイオーディオをメーカーオプションで設定。利便性を高めた。(写真は8インチ)

さらに4型から装備されているリヤの超音波センサーは、保安基準の〝後退時車両直後確認装置〞に該当する。社外バンパーに交換してセンサーがなくなった場合、バックカメラかミラーで代替しないと車検は通らないし、違法改造車として取り締まりを受ける可能性が生じる。

居住性

さて、マニアックな情報が先行してしまったが、ジムニーはもともと、オフロード走行や林道ツーリングを楽しむマニアや農林水産業やハンティングの現場でワークホースとして使用されるクルマ。デザインが気に入って買おうというユーザーを否定するつもりはないが、舗装路しか走らないなら、ネガティブな要素があることは覚えておきたい。まず、ハスラーなど乗用車ベースのSUVに比べると、乗り心地が良くない。卓越した悪路走破性を実現するため、前後サスペンションはリジッドアクスル方式を採用しており、バネ下が重い。片車輪の動きが反対車輪にも伝わるから、舗装路の工事跡を通過する程度でも、車体がユサユサと揺すられる。

うれしい装備

車中泊に向いているわけでもないのだが、前席の背もたれを後ろに倒せば就寝スペースを実現。段差をマットで埋めれば快適性がアップする。
「XC」と「XL」は蓋が付いたラゲッジボックスを標準装備。収納として使えるのはもちろん、後席格納時にフラットフロアを実現できる。
月間販売台数   3896台(25年7月~12月平均値)
現行型発表    18年7月(一部仕様変更 25年10月)
WLTCモード燃費  16.6㎞/ℓ※5速MT車 

ラゲッジルーム

ステアリングもセンター付近の遊びが大きく、キビキビとした軽快感は希薄だ。これは極悪路走行時に、タイヤ側からの入力がステアリングに返ってくる〝キックバック〞を緩和するためだが、突発的な横風で進路を乱された際など、慣れるまではヒヤリとするかもしれない。こうした点に不満を覚えたら、手放す前に、ぜひ林道ツーリングに行ってみて欲しい。4WDシステムはドライバーが必要に応じて切り替えるパートタイム方式なので、使いこなすには知識が必要だが、あなたはきっと、そこで〝別の乗り物〞の姿を目にするはずだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.175「2026年 軽自動車のすべて」の再構成です。

「2026年 軽自動車のすべて」モーターファン別冊 統括シリーズVol.175|最強のクルマバイヤーズガイド【モーターファン別冊 ニューモデル速報】公式サイト

モーターファン別冊 統括シリーズ Vol.175「2026年 軽自動車のすべて」/2026年2月28日発売。

http://motorfan-newmodel.com/integration/175/