トヨタ・クラウンやレクサスISの2.0ℓ直4ターボのピストンとコンロッド:8AR-FTS[内燃機関超基礎講座]

8AR-FTS型のコンロッドの大端部断面とコンロッドボルト
エンジンの燃料エネルギーを直接受け止めるピストン、そしてそれをクランクシャフトに伝えるコンロッド(Connecting Rod)。エンジンの3C部品の華ともいえる存在だ。ここでは、トヨタ・クラウン、レクサスNX/IS/RXなどが搭載する2.0ℓ直4ターボエンジン(8AR-FTS型)の高い燃焼圧力への対応するピストンとコンロッドに迫ってみよう。

モーターファン・イラストレーテッド vol.117「エンジン回転系部品大図鑑」より転載

ピストンピン側 側面
ピストン冠面

8AR-FTSのピストン SPECIFICATION
ボア 86mm
ストローク 86mm
ピストン重量 371g
ピストン全高 58mm
ピストンピン側外径 85.5mm
ピストンスカート側外径 85.8mm
ピストンピン径 24mm
ピストンピン重量 140g
コンプレッションハイト 36.4mm

直噴とポート噴射を組み合わせた燃料系を持ち、高タンブルによる急速燃焼で出力/トルクを得るエンジンだけに、回転系部品の軽量化は徹底して行なわれている。コンロッドはロッド面の断面積をできるだけ削り、全体の重量は前世代に比べて約40%低減された。強度を高めながらも切削加工性はHV300並みである。ピストンはハイトが低くスカートが短い。強いタンブル流を得るために設計を詰めた冠面の精度を確保するため、鋳造時には冠面に「ツノ」が出ないようにした。ピストンのトップリングには鋳鉄を鋳込み、過給エンジンの高い燃焼圧にも充分耐えられる。最新の過給エンジンはここまで配慮しているという見本と言える。

コンロッド正面

8AR-FTSのコンロッド SPECIFICATION
コンロッド全長 216mm
コンロッド重量 644g(ボルト含む)
大小端中心間距離 162.4mm
連棹比 3.777
小端部幅 21.9mm
大端部幅 21.8mm
コンロッドボルト長 54.2mm
コンロッドボルト重量 29g


ピストンリング&ピストンピン
8AR-FTS
シリンダー配列 直列4気筒
排気量 1998cc
内径×行程 86.0mm×86.0mm
圧縮比 10.0
最高出力 180kW/5800rpm
最大トルク 350Nm/1650-4000rpm
給気方式 ターボチャージャー
カム配置 DOHC
ブロック材 アルミ合金
吸気弁/排気弁数 2/2
バルブ駆動方式 ロッカーアーム
燃料噴射方式 DI+PFI
VVT/VVL In-Ex/×

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