BASFのElastopor Cryoを使用した極低温断熱システム
Shanghai Harvest Insulation Engineering社（以下Harvest）は、BASFのElastopor Cryo（エラストポール・クライオ） で製造した極低温断熱システムを、中国有数の造船会社、江南造船社に納入した、最初のVLEC（超大型エタンキャリア）に採用した。Elastoporは耐久性に優れており、海上で悪天候に見舞われた際も船舶の断熱性を確保することができる。そのため、キャリア上の液体貨物を特定の低温状態に保ち、安全に陸上へ輸送することができる。
BASFアジア太平洋地域ビジネスマネジメント建設部門のロヒト・ゴッシュ氏は次のように述べた。
「近年、LPG（液化石油ガス）およびLNG（液化天然ガス）業界は、特に中国のクリーンエネルギーに対する需要の高まりによって、大きな成長を遂げています。今回の画期的なプロジェクトは、中国最大級の極低温断熱システムサービス プロバイダーであるHarvestとBASFの協力による新たな成功例と言えるでしょう」
2019年、BASFとHarvestは、中国の極低温産業および造船産業向けのポリウレタン（PU）断熱ソリューションの開発に関する戦略的協力協定を締結した。この協定には、LNG（-164℃）/LEG（液化エチレンガス）/LPG船のカーゴタンク、燃料タンクと パイプライン、オフショアプロジェクト、LNGターミナルプロジェクトにおいて、極低温用途に適したBASFの製品（Elastopir、Elastopor、Elastospray、Elastocoat）の使用も含まれている。
Harvestの会長であるZhengfeng Cheng（ゼンフェング・チェン）氏は、次のように述べた。
「Harvestは、常に低温断熱材業界に注目し、製品の研究開発、製造、設置に関わるシステムソリューションを提供して、優れたリファレンスを獲得してきました。Harvestは今後もBASFと協力し、国内外のお客様に高品質な製品とサービスを提供していきます」
江南造船が設計・建造したVLECは世界最大級であり、シリーズの第1号艇である。全長230メートル、総容積99,000立方メートルで、LEG（-104℃）、LPG（-40℃）などの極低温液体貨物を積載できる。デュアルフューエル一次エンジンパワーシステムは、エタンを燃焼させることができるため、2030年に施行される環境保護排出ガス規制の要件を満たしている。