マツダ:CX-8を大幅商品改良、「Grand Journey」「Sports Apperance」を追加

 マツダの3列シートクロスオーバー車・CX-8が11月2日、大幅商品改良を施し11月2日より予約を開始した。今回の改良についてマツダは「最新の魂動デザインを取り入れたデザイン表現の進化、お客さまの選択肢の幅を広げる特別仕様車や機種の追加、そして新世代商品で開発した技術の採用によるダイナミクス性能の進化や利便性と安全性の向上を実施」したとアナウンスしている。

デザイン表現の進化

 順に追ってみよう。まずは「デザイン表現の進化」である。具体的には、フロントグリル、リヤコンビランプとリヤバンパーのデザインを変更するとともに、ボディカラーを追加した。

フロントグリル。「シャープでモダンなブロックメッシュパターンを採用し、バンパー立体と連続した造り込みにより、上級SUVにふさわしい力強さと上質さを表現」したとマツダはアナウンス。写真は新グレードの「Sport Appearance」で、グリルサラウンドにブラッククロームを施しているのも特徴。
リヤコンビランプ。LEDの発光パターンがL字の2連レイアウトとなった。アセンブリの形状も、なめらかなボート型に変更されている。バンパー側のデザイン変更とあわせて実現した大幅改良である。
ちなみにこちらが従来型のリヤコンビランプ。クロームめっきのリヤトリムがコンビランプに入り込むデザインで、個人的にはこれを見て「CX-8だ」と判別していた。
リヤバンパー。「バンパーとランプのコーナーをより広げ(上の写真参照)、水平なキャラクターと合わせ、全幅を活かしきるワイドでスタビリティー感のある印象を実現」したとマツダは表現。写真は「Exclusive Mode」グレードで、ボディ同色のフェンダーアーチが目を引く。この同色処理も前提にあったのか、デザイナーは間延びしないようにバンパーのデザイン処理に気を使ったと、デザイナーは説明してくれた。
ボディカラー。こちらが新たに追加された「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」。CX-60から採用になった匠塗の第3弾。ちなみに匠塗とは「熟練職人が手塗りしたような精緻で高品質な塗装を、量産技術で実現するマツダの塗装技術」。
当日写真も撮ったが、色調を正しくお伝えできる自信がなく、念のため「ロジウムホワイトプレミアムメタリック」の広報写真を掲載する。グレードは「Exclusive Mode」。なお、同塗色は特別塗装色のため、55,000円(メーカー希望小売価格:税込)高となる。スノーフレークホワイトパールマイカは廃止となった。

特別仕様車や機種の追加

 特別仕様車「Grand Journey」を追加した。適用は25SおよびXDグレードで、ともに4WD/ATの設定。価格は、25S-GJが3,999,600円、XD-GJが4,382,400円。

Grand Journey。エクステリアでは、シルバー塗装のフロント&リヤバンパーセンターガーニッシュ、ガンメタリック塗装のフロントグリルがGrand Journeyの特徴。このほか、グロスブラックのドアミラー、ブラックメタリック塗装の切削加工19インチのアルミホイール、ルーフレール、ブライトのサイドガーニッシュなどを備える。
Grand Journeyのインテリア。「グレージュの明るい色使いの合成皮革とファブリックによるシートやドアトリム、ハイカムグレージュとサテンクロームメッキのインパネ加飾」とはマツダのアナウンス。本グレードのみ、Mi-DRIVEに新しいモード「OFF-ROAD」を追加している。
Grand Journeyの2列目および3列目シート。白系の表皮が室内を明るく見せる。

 また、新機種として「Sport Appearance」を追加した。「全身をブラックでまとめることで、成熟した大人のスポーツマインドを刺激しつつ、上質さも表現した」とマツダはアナウンス。こちらがちょいワルの男性をターゲットとしているのに対し、Grand Journeyはアクティブな女性をユーザーとして想定、と説明があった。25SおよびXDグレードに展開、2WD-ATおよび4WD-ATから選択可能。価格は25S-SAが4,032,600円(2WD)/4,269,100円(4WD)、XD-SAが4,415,400円(2WD)/4,651,900円(4WD)。

Sport Appearance。「フロントグリル、シグネチャーウィング、バンパー下部、クラッディング、ボディロアガーニッシュ、ドアミラーまで深い光沢によって精悍さを際立たせるブラック塗装で引き締め、ホイールもブラックメタリック塗装19インチを採用」した。つるりきらりとした黒が、確かに他グレードとの違いを演出している。
Sport Appearanceのインテリア。この外装でこのインテリアは相当に雰囲気がある。「レッドもしくはブラックのスムースレザーシート、上質さを醸し出すライトグレーのステッチ、ハニカムシルバー/サテンクロームメッキのインパネ加飾」が施される。

ダイナミクス性能の進化や利便性と安全性の向上

 スプリングとダンパーを見直しピッチの発生を抑制、加減速時の不快な頭倒れをを抑えることで乗り心地の向上を図った。動きを抑えるのではなく、回転運動を並進運動(この場合は上下の方向)に変換する。CX-60がサスペンションのジオメトリーで実現した車両の挙動を、ばねとダンパーで追いかけた格好だ。

 前席を改良し、着座時に骨盤を立たせ姿勢を安定させる構造とした。骨盤が起きることで支える筋肉の余計なストレスを軽減し、結果として疲れないというロジックである。

実際のシート座面の様子。骨盤がちょうど落ち着く位置に縫い目(凹み)を設置する構造とした。座ってすぐわかる腰の落ち着き具合で、とくに長距離移動では威力を発揮するという。

 このほか、SKYACTIV-G 2.5T(25Tグレード)において、パワートレイン制御を調整。低速トルクを細かくコントロールできるようにペダルの操作力を最適化した。また、素早いアクセル操作に対して瞬時に呼応するATの変速制御を採用した。

 このほか、安全機能の充実として、アダプティブ・LED・ヘッドライトを改良、LEDを従来の12分割型から20分割型へ改めることで、夜間の視認性を高めた。アクティブセーフティについても、クルージング&トラフィック・サポートを採用、追従走行機能とステアリングアシスト機能によるドライバーの負担軽減に努める。

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部