欧州連合(EU)が提唱した次世代排ガス規制「ユーロ7」は、自動車業界に新たな風を巻き起こしている。厳格化される規制に対応するためのコスト増が予想される一方で、中国企業はこの機会をビジネス拡大のチャンスと捉え、活発に動き始めている。
ユーロ7規制は、自動車の排ガス中の有害物質を一層削減するとともに、新たにタイヤ摩耗粉の規制を導入するというものである。しかしながら、これらの規制に対応するためには、車両製造コストが1台あたり平均2,000ユーロ上昇するとの見通しがある。
一方、中国の自動車メーカー吉利は、ルノーと日産のパワートレーン開発を一部請け負っていると同時に、ユーロ7対応の技術を共同開発している。さらに、中国の比亜迪汽車(BYDオート)は世界最高効率のガソリン内燃機関を開発しており、欧州の自動車メーカーや大手サプライヤーから共同開発の打診があったという。