自動車業界は、電動化の波に乗り、車両駆動用モーターの開発に注力している。主な目標は小型軽量化、高トルク密度、低コスト、そして広範囲の運転条件への対応だ。これらの要件を満たすため、車両に搭載するモーターの種類とその特性は重要である。
現在、車両の駆動用モーターとして多く使われているのは、磁石界磁型の交流同期モーターだ。これは最大効率と出力密度が高く、技術も成熟しているためだ。しかし、新たに巻線界磁型の交流同期モーターも注目を集めており、ローターの磁力を調整することが可能で、様々な運転条件に対応できるからだ。ただし、モーターの小型化には限界があり、磁石界磁型に比べて効率はわずかに下がる。