日産自動車、ダイキン、TIS、マツモトプレシジョン、AiCTコンソーシアムのもと電気自動車と業務用空調が協調する実用化検証を開始

日産自動車、ダイキン工業、TIS、およびマツモトプレシジョンの4社は12月20日、参画するAiCTコンソーシアムのもと再生可能エネルギーを活用して、電気自動車(以下「EV」)の充放電制御システムと業務用空調制御のデマンドシステムを組み合わせた新たなエネルギーマネジメントの構築に向けた実用化検証を開始したことを発表した。

今回の実用化検証は、マツモトプレシジョン本社(福島県喜多方市)において、同社が社用車として保有するEV 3台(日産アリア、日産リーフ、日産サクラ)と、従業員が通勤に利用するEV 1台(日産サクラ)の計4台を使用し、EVの充放電を自律的に行う日産の制御システムと、ダイキンの高効率空調機と空調制御デマンドシステムを組み合わせ、EVと空調の協調制御を検証する。

マツモトプレシジョン敷地内の太陽光発電による再生可能エネルギーを活用しながら、EVの大容量バッテリーと業務用空調を高度なエネルギー制御技術で協調させることで、モビリティとしての利便性はそのままに、空調による職場環境の快適性も損なうことなく、効率的なエネルギーマネジメントの実現を目指し、持続可能な社会の実現に貢献する。あわせて、エネルギーの地産地消で電力コスト削減にも取り組む。

さらに、今回の取り組みをベースに、将来のVPPプラットフォームとしての活用を目指し、TISのICT基盤技術を組み合わせたデータ解析や検証も行われる。また、エネルギーの効率的な利活用においては、EV使用者の積極的な参加が不可欠であり、会津地域で利用可能な地域通貨「会津コイン」と連携し、電力ひっ迫時にマツモトプレシジョン従業員のEVから電力供給をした場合に、「会津コイン」のポイントを付加する仕組みの導入も検討している。

※VPP:バーチャル・パワー・プラント(仮想発電所)。分散型のエネルギーリソースをIoTによって仮想的に束ね、電力の需給バランス調整を行う仕組み。

このスキームによりマツモトプレシジョンにおいて実用化検証に取り組む新たなエネルギーマネジメントは、今後、喜多方市や会津若松市にある公共施設への導入も視野に入れており、地域全体での脱炭素化やエネルギーの安定供給を行う、国内初の取り組みに発展させていく予定としている。

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