三菱電機、xEV用SiC/Siパワー半導体モジュール新製品「J3シリーズ」のサンプル提供を開始

三菱電機は、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)用モーター等のインバーター駆動に用いるxEV用パワー半導体モジュールとして、小型化を実現し、SiC-MOSFET※1やRC-IGBT(Si)※2素子を搭載したJ3-T-PMを開発したことを発表した。J3-T-PMを組み合わせることで豊富なラインアップを実現し、多様なxEV用インバーター設計に対応する「J3シリーズ」計6製品のサンプル提供を3月25日から順次開始する。
xEV用SiC/Siパワー半導体モジュール「J3シリーズ」J3-T-PM

近年、脱炭素社会の実現に貢献するキーデバイスとして、電力を効率よく変換するパワー半導体の需要が拡大・多様化する中、電力損失の大幅な低減が可能なSiCパワー半導体への期待が高まっている。特に自動車分野では、温室効果ガス低減を目的とした自動車の電動化を背景に、モーター駆動におけるインバーターなどの電力変換機器に使用されるパワー半導体モジュールの需要が拡大している。xEV用パワー半導体モジュールは、自動車の航続距離の延伸に加えて、バッテリーやインバーターの小型化を可能にする小型で高出力・高効率な製品が求められている。また、自動車は安全基準が高く、モーター駆動に用いるパワー半導体には一般産業用途以上の信頼性も求められる。

三菱電機は業界に先駆け、1997年にxEV用パワー半導体モジュールの量産を開始後、ヒートサイクル耐性等の信頼性を向上し、インバーター小型化などの課題を解決するxEV用パワーモジュールをこれまでに多数提供し、さまざまなEV・HEVに搭載されてきた。

今回、自動車市場で多くの採用実績がある三菱電機製T-PM※3の最新世代として、小型のモジュールサイズを実現したxEV用SiC/Siパワー半導体モジュール「J3シリーズ」のサンプル提供が開始される。新たにSiC-MOSFETを搭載した製品や、RC-IGBT(Si)を同一パッケージに搭載した製品をラインアップすることで、xEV用インバーターの小型化に貢献する。また、豊富なラインアップにより、幅広い電気容量帯のインバーター設計にも対応し、EVやPHEVの航続距離の延伸や電費改善にも貢献することで、さらなる自動車の電動化の普及に貢献する。

【注釈】

※1 Silicon Carbide:炭化ケイ素
Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属酸化膜半導体製の電界効果トランジスタ

※2 RC-IGBT(Reverse Conducting IGBT):IGBTとダイオードを1チップ化したもの

※3 Transfer molded Power Module:トランスファーモールド型パワー半導体モジュール

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