トヨタの次世代マルチメディアシステムは、大型化/高解像度化した最大14インチワイドタッチディスプレイを採用している。表示エリアを柔軟に分割、拡大/縮小することができ、先進性と利便性に優れている。音声による高速起動が可能な音声認識機能や、車載専用のサウンドシステム、OTA(Over the Air)によるソフトウェアアップデート機能も備えている。その中において、ルネサスのR-Carは、「地図情報やユーザーが好む各種デバイス(スマートフォン含む)の映像や車載連携アプリを大型ディスプレイへ表示、指でディスプレイに触れるタッチ操作機能、マイク入力による音声認識機能、複数の車載スピーカへの音声出力」を担っている。さらに、R-Carに内蔵されたセキュリティ機能により安全なOTAを実現し、R-Carの高いコンピューティング性能により最先端のコネクテッドサービスの提供を可能にしている。
マルチメディアシステムの機能は車種により異なるため、ハイエンドのフル機能搭載の車種にはR-Car H3、それ以外ではミドルレンジのR-Car M3が採用された。R-Carは、チップ間のソフトウェアの継承性に優れているため、幅広い車種に展開する際の開発の効率化に貢献する。また、ルネサスの広範なエコシステムパートナ企業が開発をサポートした。
トヨタ自動車のコネクティッド基盤開発部の部長である小林正人氏は、次のように述べた。
「CASE時代において多様化するお客様のニーズに寄り添う、新マルチメディアシステムを開発しました。最先端のシステムを実現するため、性能確保と複雑なソフトウェアの効率的な開発は大きなチャレンジでした。ルネサスのR-Carは車載専用のSoCとして性能も信頼性も高く、エコシステムも充実していたことにより、この革新的なマルチメディアシステムを実現することができました」
ルネサスの執行役員兼オートモーティブソリューション事業本部長の片岡健は次のように述べた。
「ルネサスのR-Carが次世代マルチメディアシステムに搭載され、その機能を備えたLEXUSが市場に投入されたことを非常に嬉しく思います。直感的な使いやすさを追求した次世代のコクピットが、今後幅広い車種に展開され、安全で快適な、高いユーザエクスペリエンスを提供するクルマとして世界中に広まることを期待しています」