アリソントランスミッション:3000シリーズトランスミッション、 日野チームスガワラのダカール・ラリー2022参戦車に搭載

アリソントランスミッションの日本法人であるアリソンジャパンは、世界で最も過酷と言われるオフロードレースの一つであるダカール・ラリー2022 のトラック部門で、チーム初となるハイブリ ッド車で参戦する日野チームスガワラに、アリソン製トルクコンバーター式オートマチックトランスミッション(AT) 3000 シリーズを提供したことを発表した。

 日野自動車と日本レーシングマネージメントで構成されるダカール・ラリー共同参戦チーム「日野チームスガワ ラ」は、ドライバー兼チーム代表の菅原照仁氏率いるチームで、レースにおける競争力向上とともに、環境面における持続可能性を追求するため、チームとして初めてハイブリッド車で参戦することとなり、ダカール・ラリー 2020に引き続き、アリソン3000 シリーズトランスミッションを採用することを決定した。菅原氏は、2005年 からダカール・ラリーにドライバーとして参戦し、2007年には排気量10リットル未満クラスで初優勝、2010年〜21年にはトラック部門排気量10リットル未満クラスで12連覇を達成している。

 日野チームスガワラは、1991年に参戦を開始し、30年を超える歴史を有する。ダカール・ラリー2020年で は、HINO600 Seriesに走行性、耐久性、操作性を高く評価したアリソン3000シリーズトランスミッションを初めて採用し、レースに臨んだ。

ダカール・ラリー2022 参戦車両 日野チームスガワラ(PHOTO:HINO)

 菅原氏は「トラック部門のライバルチームの多くが競技規則の最大となる排気量13リッターのエンジンを搭載する中で、我々は参戦当初から10リッター以下のエンジンで戦ってきました。競技車両に採用されているA09Cエンジンは排気量8,866ccと小さく、アリソンのトルクコンバーター付きオートマチックトランスミッションによるトルク増幅とContinuous Power Technologyによって、素早く最高速度まで到達できると期待しています。またトラック部門の最高速度が140km/hに制限されている中、いかに平均車速を稼げるかも重要で、全域で間断なく動力を伝達し、加速性能に優れるアリソンATは不可欠でした。また日野自動車はハイブリッドEV商用車の生産販売を 1991年から続けており、その技術を応用した今回の参戦車で、いかに環境に優しく、そしてレースに勝てる車であるかを実証したいと考えています」と述べた。

 アリソンジャパン代表取締役社長のニコラス・ダルマは「今回、日野チームスガワラがアリソンATを搭載したチームとして初めてのハイブリッド車でダカール・ラリーに参戦することをとても楽しみにしています。 商用車業界全体でゼロエミッションを目指す中、持続可能な社会を構築する一旦を担うべく、アリソンも技術開発を行なってきています。これまで培ってきたレースでの経験をフルに発揮し、安全に14日間を走り切っていただけるよう応援しています」と述べた。

 ダカール・ラリーは2022年1月2日にハーイル(サウジアラビア)をスタートし、14日にゴールのジェッダを目 指して、総走行距離約8,000kmを走り抜ける。

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