三菱造船:舶用高圧式エンジン向けLNG燃料ガス供給システム(FGSS)を初受注

FGSSモジュール
三菱重工グループの三菱造船は、舶用高圧式二元燃料エンジン向けのLNG(液化天然ガス)燃料ガス供給システム「FGSS(Fuel Gas Supply System)」(注)を初受注した。本装置は、今治造船のグループ会社で連続建造されるLNG燃料自動車運搬船6隻向けに搭載される予定。

 今回受注したFGSSは、LNG燃料タンク、ガス供給ユニット、制御装置などで構成されている。省スペースかつメンテナンス性に優れた機器モジュール設計によるカーゴスペースの最適設計、造船所での建造工程短縮、顧客の要望に応じてカスタマイズ可能な独自の制御装置の採用などにより、優れた操作性と安全性の両立に寄与する製品。また、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による製品の納期遅延の影響を極力避けるべく、国内の機器を積極的に採用している。

 船舶のLNG燃料化は、温室効果ガス(GHG)削減を目標とした排出規制に対する一つのソリューション。三菱造船のFGSSは、陸上用のエンジン試験設備向けシステムで納入実績を積み重ねた後、舶用エンジン向けに展開したもので、LNG運搬船の建造などで培ったLNGおよび気化ガスのハンドリング技術を活用して開発された。三菱造船は、既に舶用低圧式エンジン向けFGSSの受注・納入実績を有しており、今回、舶用高圧式エンジン向けFGSSを受注したことで、低圧・高圧両方式での受注実績を得ることになる。

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