水素を低コストで効率良く輸送・貯蔵できるアンモニアは、エネルギーキャリアとしての役割に加え、火力発電の燃料として直接利用が可能であり、燃焼時にCO2を排出しない燃料として、温室効果ガスの排出削減に大きな利点があると期待されている。そのため、JERAとIHIは、NEDOの助成事業として、JERAの碧南火力発電所4号機において、燃料アンモニアを20%混焼する技術の確立に向けて実証事業に取り組んでいる。
脱炭素社会の実現には、イノベーションによりアンモニアの混焼率を拡大し、火力発電から排出されるCO2を削減することが重要。本事業は、新たにアンモニア高混焼バーナを開発し、同バーナを碧南火力発電所4号機または5号機に実装し、アンモニアの混焼率を50%以上に拡大させることを目指すもので、事業期間は2021年度から2028年度までの約8年間。2024年度までに、50%以上のアンモニア混焼が可能なバーナを新規開発するとともに、ボイラを始めとした設備の仕様などを検討する。その結果を踏まえ、碧南火力発電所における同バーナの実装可否を判断する。実装する場合、2028年度までに、実機で50%以上のアンモニア混焼を開始する計画。