三菱電機:4周波数帯に対応した世界最小の高精度衛星測位端末用アンテナを開発

三菱電機は、4周波数帯に対応した世界最小※1の高精度衛星測位端末用アンテナを開発した。周波数帯域を拡大したことで世界の主要な衛星測位システムと測位補強サービス※2に対応するとともに、小型化によりさまざまな移動体に搭載でき、自動運転など高精度測位情報の利用拡大に貢献する。

 今回開発したアンテナは、アンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減した4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナとして世界最小を実現している。

開発品A社B社C社
水平面サイズ59mm ×59mm140mm × 140mm直径160mm直径76mm
高さ33mm62mm60mm35mm

独自アンテナ小型化技術により、世界最小を実現、さまざまな移動体に搭載可能

・水平面に垂直に配置した4つの樹脂成形品の側面と天面に、2つの折り曲げ線状アンテナ素子を樹脂成形品間で対称になるよう配線し、アンテナ素子配線を立体化。この独自のアンテナ小型化技術により、4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナとして世界最小を実現。ドローンや小型トラクターなどさまざまな移動体に搭載可能。
・小型アンテナはアンテナ占有空間に比例して性能が向上するため、アンテナ素子配線を立体化※3して限られた占有空間の中でアンテナ形状を最適化することで、L1帯の周波数帯域が当社従来比約3倍に拡大。当社従来品では未対応のGLONASS衛星、INMARSAT衛星にも対応。

独自のアンテナ構造により、測位精度を劣化させるマルチパス波の抑制を実現

・直線状とループ状のアンテナ素子を組み合わせた独自のアンテナ構造により、アンテナ背面方向へのバックローブ放射を低減し、測位精度を劣化させるマルチパス波(地面からの反射波)を抑制。
・従来のマルチパス波抑制手法のアンテナ大型化を適用せずに、小型でありながら高い測位精度が期待できるマルチパス波抑制を実現。

※1 2022年1月17日現在、三菱電機調べ。4周波数帯対応の高精度衛星測位端末用アンテナにおいて
※2 測位誤差を補正する情報や測位の信頼性に関する情報を提供するサービス
※3 MID(Molded Interconnect Device:三次元形状の樹脂成形品の表面に電極や回路などを形成した部品)により立体配線を実現

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