先進運転支援システム(ADAS)や自動運転(AD)システムの実現に向けて、機能安全に準拠した複雑なシステムを効率的に開発することが課題となっている。ルネサスは、自動車の機能安全の国際規格ISO26262のレベルASIL B~ASIL Dをサポートする車載用SoC(System on Chip)R-Carや車載制御用マイコンRH850、パワーマネジメントIC(PMIC)、ソフトウェアソリューションを提供している。しかし、機能安全は、半導体単体ではなく、ECUシステム全体で準拠する必要がある。そのため、機能安全要件を満たすことができるR-CarやRH850を使用しても、ISO26262に準拠するECU開発にはシステムレベルでの高い専門性が必要である。AVLは、これまでにISO26262準拠するECU開発を、ハードウェアとソフトウェアの両面からサポートしてきた実績がある。本協業により、ルネサスのユーザは、ルネサス製品の高度な機能安全ソリューションを活用しながら、AVLの機能安全に関する専門性の高いサポートを受けることができるため、早期にISO26262準拠のECU開発を実現できる。
ルネサスの車載デジタルマーケティング統括部、統括部長の吉田直樹氏は次のように述べた。
「AVLの機能安全に対する高度な知見と豊富な経験を、ルネサスのお客様に提供できることを、嬉しく思います。この協業により、世界中のあらゆるお客様がルネサスの信頼性の高い半導体を用いて、ISO26262準拠のECUを早期に開発できようになると確信しています」
AVLのFunctional Safety and Cyber Security のDirectorであるDirk Geyer氏は次のように述べている。
「ADAS/ADの普及により、機能安全対応が必要なECUは増加する一方です。AVLは、カスタマイズされたFMEDA(Failure Modes, Effects and Diagnostic Analysis)や製品固有の故障率分析などの高度なサポートを含め、さまざまな安全レベルのサポートをハードとソフトの両面から提供できます。私たちは、ルネサスのお客様をグローバルに包括的にサポートできることを楽しみにしています」