このエンジンの開発を主導したのはマツダ側で、マツダ/フォードグループの世界戦略エンジンとして企画され、2008年にCX-9(北米仕様)に搭載されてデビューした。なお、デュラテック37は翌2009年にリンカーンLKSに搭載されてデビューとなっている。このためマツダMZIはフォード・デュラテック37の兄弟機ではあるが、仕様としては先行量産型とでも呼ぶべきもので、両者はまったく同一と言うわけではない。たとえば排気量はマツダMZIがわずかに大きく、リンカーンMKTに積まれた同一最高出力のデュラテック37と比較すると最大トルクはマツダMZIの方が低い。
デュラテックV型6気筒シリーズはフォードの量産エンジンのなかで中核というべき存在である。ただしかつてのV6がともすればV8の格下と思われがちだったのに対して、最新のV6は完全に別の存在としての価値が与えられている。
デュラテックのなかで3.7ℓはマスタングやF-150ピックアップのベーシックユニットとして設定されている。ボア×ストロークは95.5mm×86.6mm。シリンダー単室容量は5ℓのV8に極めて近く、8気筒のなかの2気筒を落としたものと見ることもできるのだが、このボア×ストロークはショートストロークに振られている。
この他のメカニカルスペックはTi-VCTことデュアル可変バルブタイミング、ADFSO(Aggressive Deceleration Fuel Shut-Off)、剛性に優れたディープスカート/クロスボルトメインベアリングキャップ、ピストンクーラーなど、V8に準じている。