電気自動車は後輪駆動がスタンダードになる!?:MFi186号「後輪駆動のテクノロジー」

現在の乗用車の主流はエンジン横置きFWD、そしてそれをベースとしたAWDといってもいいだろう。軽自動車はもちろん、コンパクトカー、そしてミドルサイズに至るまで、広い室内空間を確保しやすく駆動系をコンパクトにできるこのレイアウトは多くのカテゴリーのモデルに採用されている。

しかしこれは、内燃機関をパワートレーンとして使うモデルでの常識だ。今後ICEを搭載しない、純粋なBEVを新規に開発するにあたっては後輪駆動が有力な選択肢となる。モーターファン・イラストレーテッドvol.186では「後輪駆動のテクノロジー」を特集として掲載。ICEを搭載した従来の乗用車の後輪駆動に加えて、BEVの後輪駆動の可能性を解説している。

ICEを搭載する乗用車はエンジンがもっとも大きく重い部品であり、変速機やオルタネーターなどもエンジンと隣接して搭載する必要性がある。そのためICE搭載車両では、エンジンの搭載位置と駆動方法が車両としての性格の大部分を決定してしまうという傾向がある。

しかし、BEVではもっとも重い部品は駆動用バッテリーであり、車体のフロア下に敷き詰められる形で搭載されるケースが多い。モーターはエンジンと比較すれば小さく軽いうえ、バッテリーとはハーネスで繋げば機能するので搭載位置の自由度は飛躍的に高くなる。そうすれば後輪駆動化することもICE車両と比べて大幅に難易度が下がるのだ。さらにFWD搭載車では登坂路の発進時でのトラクションを確保するため、フロント軸重を60%ほど確保する必要があるが、RWDでは理想的な前後重量配分を選択することができる。

モーターファン・イラストレーテッド最新号となる、3月15日発売のvol.186では特集として「後輪駆動のテクノロジー」を掲載。上記のBEV後輪駆動モデルの可能性や、RWD車のサスペンション特性、ICE搭載の後輪駆動車の最新事例などを解説した。ぜひご一読いただきたい。

モーターファン・イラストレーテッド Vol.186
特集「後輪駆動のテクノロジー」
CONTENTSIntroduction 後輪駆動の経済学 なぜ我々はRWDを作り続けるのか
Chapter 1 Basic 後輪駆動とはなにか
Chapter 2 「脱スポーツ」の後輪駆動
 [Introduction]エンジンレスで車体設計の自由度が増加
 [Case 1 HONDA]Honda e
 [Case 2 OVERSEAS RWD cars]Volkswagen/Hyundai/Rivian
Chapter 3 「スポーツ」の後輪駆動 
 [Case 1 SUBARU]BRZ
 [Case 2 MAZDA]ロードスター
Column なぜ、CVTなのか——ダイハツ・ハイゼット
Chapter 4 要素技術
 [Case 1 SUSPENSION]後輪駆動車のリヤサスペンション考察
 [Case 2 DAMPER]RWDのトラクション性能を引き出す
 [Case 3 TIRE]タイヤの使いかたに見る後輪駆動のメリット
 [Case 4 HYPOID GEAR]力の方向を90°曲げる歯車の「いま」

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