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安全運転支援実証については、バスが死角により歩行者等の動向が確認しづらい交差点を走行する際に、電柱を活用した「路車間通信※1」および自転車との「車車間通信※2」による安全運転支援の有効性を確認するもの。具体的には、交差点周辺の電柱や自転車に設置した情報通信機器が、死角からの歩行者や自転車の速度や位置などの情報を検出し、事故の危険性がある場合に、バスの運転者等に注意喚起することで、安全運転を支援する。
また、見守り支援実証については、電柱に設置したBluetooth※3受信機にて歩行者や自転車ユーザーの見守りや運動促進を図る。具体的には、Bluetooth端末が搭載されたシューズや自転車をモニターへ貸与し、Bluetooth受信機の設置された電柱付近を通過する際に、通過時刻や歩数に関するデータを取得し、居場所履歴による見守りや運動促進を支援する。
実施場所 兵庫県三田市内の歩行者等の動向が確認しづらい交差点
実施期間 2022年4月18日~22日の期間内
実証1 路車間通信および車車間通信による安全運転支援
1)センサーが方路2の歩行者等を検出
2)路側機から、方路2の歩行者等の動的情報(位置・速度・方位等)を送信
3)方路1を走行するバスに搭載した車載器が、死角となっている方路2の歩行者等の動的情報を受信し認識(GNSS※アンテナにより正確な位置情報を補正)
4)方路2の歩行者等の動的情報と、バスの動的情報から、事故の危険性を車載器にて判断し、危険性がある場合にバス車内に音声で通知また、LED表示板にも歩行者等の動向を表示
※GNSS(Global Navigation Satellite Syste:全球測位衛星システム)とは、GPS、準天頂衛星(QZSS)、GLONASS、Galileo等の衛星測位システムの総称
1)センサーが方路1の確認しづらい場所に駐車している車両を検出
2)路側機から、駐車車両を発見した際に存在情報を送信
3)方路1を走行するバスに搭載した車載器が駐車車両の情報を受信し、バスの運転者に通知
1)方路2を走行する自転車に車載器等を搭載し、自転車の動的情報(位置・速度・方位等)を送信
2)方路1を走行するバスに搭載した車載器が、方路2の自転車の動的情報を受信し認識(GNSSアンテナにより正確な位置情報を補正)
3)方路2の自転車の動的情報とバスの動的情報から、事故の危険性をバスの車載器にて判断し、危険性がある場合にバス車内に音声で通知また、LED表示板にも自転車の動向を表示
実証2 Bluetooth端末による見守り支援
1)Bluetooth端末が搭載されたシューズを履いた歩行者や自転車がBluetooth受信機を設置した電柱付近を通過する
2)Bluetooth端末から通過した時間や歩数などの情報が受信機へ送信され、クラウドに情報を集約し、情報の見える化をすることで、街の見守りや運動促進に繋げる(本実証では個人を匿名化して情報を取得する)
今回の実証では、バスの挙動情報や運転者、モニターへのアンケート等も活用することで、実証の有効性を確認する予定。
参加12社と役割 株式会社アシックス BT端末搭載シューズ、BT受信機の提供 関西電力送配電株式会社 電柱への機器設置に関する技術検討、工事 京セラ株式会社 路側機(無線部:760MHz ITS)、バス側車載器(無線部:760MHzITS、飛び出し検知)の提供 株式会社シマノ BT端末搭載自転車の提供 神姫バス株式会社 バスおよび運転者の提供とバスへの機器設置 積水樹脂株式会社 LED表示板の提供 株式会社ソニックス BT受信機の提供 豊田通商株式会社 実証に関する各種調整 日本信号株式会社 路側機(センサー部)の提供 パナソニックサイクルテック株式会社 車載器搭載自転車、BT端末搭載自転車の提供 株式会社パナソニックシステムネットワークス開発研究所 路側機(制御部)の提供、車載器(駐車車両把握) 株式会社フジクラ 機器間無線通信機(60GHzミリ波通信機)の提供
※1:各種走行支援のために道路に設置された通信設備と車両との間で行われる双方向通信のこと。
※2:各種走行支援のために車両同士で行われる双方向通信のこと。
※3:Bluetoothワードマークおよびロゴは登録商標であり、Bluetooth SIG, Inc.が所有権を有する。