え、今どき5速なの? スズキ・ジムニー/ジムニーシエラのトランスミッションが5速MTのままな理由

2018年に発表されたスズキ・ジムニー/ジムニーシエラの人気は、相変わらず非常に高い。そのジムニー/ジムニーシエラのメカニズムを解説。まずはトランスミッションだ。多段化がトレンドの現代だが、新型ジムニー/ジムニーシエラは、依然として4速ATと5速MTをラインアップする。なぜだろう? 今度はMTを見てみよう。

ジムニー/ジムニーシエラのマニュアルトランスミッションは、先代と同じく5速MTだ。MTをラインアップしているだけで、国産車としてはレアケースだという言い方もできるが、なにせ、モデルがジムニーである。MTは必須と言えるのだ。
では、先代と新型のギヤ比を見てみよう。

■先代(JB23型)ジムニー
5速MT
1速:5.106
2速:3.017
3速:1.908
4速:1.264
5速:1.000
後退:5.151

トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:4.300

■先代ジムニーシエラ
5MT
1速:4.425
2速:2.304
3速:1.674
4速:1.190
5速:1.000
後退:5.151

トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:3.416

では、新型はどうだろう?

■現行ジムニー
5速MT
1速:5.809
2速:3.433
3速:2.171
4速:1.354
5速:1.000
後退:5.861

トランスファー
高速変速比:1.320
低速変速比:2.643
最終減速比:3.818

■現行ジムニーシエラ
5速MT
1速:4.425
2速:2.304
3速:1.674
4速:1.190
5速:1.000
後退:5.151

トランスファー
高速変速比:1.000
低速変速比:2.002
最終減速比:4.090

現行型では、シフトレバーユニットの取り付け方法をトランスミッション2点+フレーム1点としてシフトレバー振動を低減した。

ジムニーは、新型でギヤ比が変わっているが、ジムニーシエラは同じギヤ比だ。
マニュアル・トランスミッションは、オートマチック・トランスミッションと違って、自動車メーカーが自製するケースが多い。ギヤ比の変更も比較的容易だ。現行ジムニー/ジムニーシエラの開発にあたって、スズキが新規にMTを設計・製造するのは、さして不思議ではない。

ジムニーのマニュアル・トランスミッションで特徴的なのは、オーバードライブがない、といことだ。ギヤ比を見てみよう。最高速段の5速のギヤ比は、1.000。つまり直結だ。たとえば、同じスズキのアルトワークスの5MT(エンジン横置きのFF)の5速MTのギヤ比は、1速:3.545、2速:2.105、3速:1.521、4速:1.148、5速:0.897となっていて、5速はオーバードライブである。つまり、新型ジムニー/ジムニーシエラも高速走行は、あまり重要視していない、ということなのだろう。

とはいえ、トランスファー(副変速機)が新スペックとなっているジムニーシエラの場合、5速走行時のギヤを見てみると、1.000×1.000×4.090でトータル4.090となる。

先代ジムニーシエラでは1.000×1.320×3.416でトータル4.509となる。これがエンジンが1.3ℓから1.5ℓになった恩恵と言えるだろう。タイヤサイズも考えなければならないが、高速走行時のエンジン回転数は新型では少し下がるだろう。

ちなみに、現行ジムニーのトランスファーは、先代と同じ、アイシン・エーアイ製のTJ2を使っている。

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著者プロフィール

鈴木慎一 近影

鈴木慎一

Motor-Fan.jp 統括編集長神奈川県横須賀市出身 早稲田大学法学部卒業後、出版社に入社。…