目次
昨今、多くの車両は、運転支援システムのエーミングやサービスインターバルの設定などの アクティブ(能動的)診断機能を実行するために、自動車メーカー固有のアクセス許可を必要とし、これにより多くの一般整備工場は、深刻な問題を抱えている。そこでボッシュは、標準化されたソリューションを開発した。SDAは、ESI [tronic] 2.0のコントロールユニット診断(SD)ソフトウェアを使用して、これらのセキュリティ保護された診断コンテンツへのアクセスを提供する。
2021年8月以降、ESI [tronic] 2.0 Onlineのコントロールユニット診断(SD)を使用するワークショップはSDAを介して、フォルクスワーゲン(VW)グループの複数の車両のセキュリティ保護されたシステムにアクセスできるようになった。ボッシュのSDAは、VWグループの車両のアクセス制限された診断作業を実行するための現行のセキュリティレベルの要件を満たしている。更に、今年(2022年)初めに行われた ESI [tronic] 2.0 Onlineのソフトウェアアップデート以来、ユーザーはSDAを介して、フィアット、アルファロメオ、ランチア、アバルト、クライスラー、ジープ、ダッジ/ラムのセキュリティ保護された車両データにもアクセスが出来るようになった。
さらに、2022年6月にはSDAの対応が拡張され、メルセデス・ベンツの現行車種にもアクセスできるようになる。また、ボッシュは、SDAによるアクセスの可能性を継続的に拡大するため、更なる自動車メーカーの開発部門とも密接に協力している。
個人用ボッシュIDでSDAを簡単に利用
SDAを使用するには、ワークショップのスタッフは、電子メールアドレスと自身で定めたパスワードからなる無料の個人用ボッシュIDを作成し、ガイドに従って初期設定を行う。設定作業は初回の1回のみ。一度登録を行えば、SDAを介した、セキュリティ保護された診断データへの全てのアクセスが可能になる。
メルセデス・ベンツのセキュリティ保護されたデータにアクセスする場合のみ、ボッシュIDの作成に加えて、ネットワークの識別の為、追加プロセスが必要である。そのネットワークでの識別登録後、これらメルセデス・ベンツのセキュリティ保護されたデータへのアクセスが可能になる。
SDAヘルプセンターでの分かりやすい説明とヒント
ESI [tronic] 2.0 からSDAにアクセスする方法は、基本的に2つある。一つはユーザーが、診断開始時にボッシュIDをアクティブにして、ESI [tronic] 2.0内でSDAアクセスをアクティブにする方法。もう一つの方法は、ESI [tronic] 2.0 は、セキュリティ保護されたシステムが搭載されている車両に接続されるとポップアップウィンドウを開き、その車両にセキュリティ保護されたシステムが搭載されていることをユーザーに知らせる。また、ユーザーはポップアップウィンドウ内のリンクから SDA ヘルプセンターにアクセスし、追加サポートを受けることができる。このヘルプセンターには、SDAに関する重要な情報、よくある質問、説明用の画像や動画などの情報が含まれている。
SDAを使用するには、ESI [tronic] 2.0オンライン ソフトウェア、コントロールユニット診断(SD) の有効なライセンス、および安定したインターネット接続が必要。さらに、現行世代のボッシュの故障診断機、KTS560、KTS590、KTS350が必要。これにより様々なメーカーの車両を取り扱う一般整備工場においても、最新の車両モデルに対して、アクティブ(能動的)診断作業を行うことができ、競争力を維持することが可能となる。