二酸化炭素とどう付き合うのか? モーターファン・イラストレーテッドvol.189は「CO2」を特集

自動車の技術を写真と図解で解説する「モーターファン・イラストレーテッド」。6月15日発売の189号は特集「CO2」です。ライフサイクル・アセスメントの観点から生産やリサイクル、さらに水素やe-fuelといった、より広い範囲の事象にスポットを当てCO2削減への道筋を分析しました。

 カーボンニュートラル実現に向け、自動車メーカーやサプライヤーは高い目標を掲げ開発を続けています。内燃エンジン車の排ガスに含まれるCO2量の削減=燃費向上や、電動車への移行などはもちろん有効な手段であり、これまでパワートレーンの効率化について弊誌は頻繁に特集を掲載してきましたが、自動車を構成する部材の製造時におけるCO2排出量の削減にも同様に注目すべきでしょう。

 モーターファン・イラストレーテッド189号では、自動車の製造、使用などのさまざまなフェーズで発生するCO2と、その削減に向けた取り組みを特集。電動車となっても切っては切れない、自動車にとっての二酸化炭素を考えてみました。

<コンテンツ>
▷ introduction 「対CO2」の主役は10年後もBEVではない
▷ 資源高とエネルギー高の中でCO2排出は削減できるか[愛知製鋼・特殊鋼の製造]
▷ アルミ製造時エネルギーの3分の2は電力[UACJ・アルミ合金の製造]
▷ ホンダが8年間鍛えた新種の藻[ホンダ・DREAMO]
▷ 微細藻類ユーグレナ由来の次世代バイオディーゼル燃料[ユーグレナ・サステオ]
▷ 炭素フリーの水素エンジンという選択肢[ボルグワーナー]
▷ e-fuelとはいったいどのような燃料なのか?[畑村博士が解説する基礎知識]
▷ 産官学一体でカーボンニュートラルへ[NEDO・CO2由来液体燃料の一貫製造プロセス]
▷ 微妙にすれ違う欧州と日本のe-fuel戦略[テクノバ・各国のカーボンニュートラル戦略分析]
▷ そこに未来は、少し見えていた[NEDO・FH2R現地取材]
▷ アルミ利用のポイントは強度とコストと軽量化のバランス[UACJ・アルミ合金の利用]
▷ 「高出力だけど高効率」はどのように両立させるのか[日産・VR30DDTT]
▷ 「経済の血液」たる物流のカーボンニュートラルとは[いすゞ・大型トラック]
▷ 割れたフロントガラスを新品に再生する[アウディ・再生ガラス]
▷ 火力発電所の排ガスで老朽油田を活性化[三菱重工業・CO2回収プラント]

<愛知製鋼>
 たとえエンジンがなくなったとしても、変速機用カウンタードリブンギヤやデファレンシャルギヤなど強度・精度・耐久性が高度に要求される部品用の特殊鋼は必要です。その最大手である愛知製鋼に、コスト制約の中で今後どうやって特殊鋼の製造に挑んでいくのかを取材。カーボンニュートラル以前から「省エネ」を徹底して進めてきた日本企業の努力を探ります。

<UACJ>
 軽量化やリサイクル性で自動車用部材としての利用が拡大しているアルミニウム合金ですが、ボーキサイトから新地金を精錬する際に大量の電力を消費します。オイルショック以降、国内ではアルミ新地金の精錬は行なわれておらず、海外から輸入された新地金とリサイクル材を用いて製造されており、アルミ地金の製造をどのような電力で行なうかで環境負荷が変わるという現状をUACJに解説していただきました。

<ボルグワーナー>
 BEVが注目を集めるいっぽうで、水素を燃料とした内燃エンジンの活用に関する研究も活発化。特に大型トラックなどの商用車では、荷物に加えて大きく重い駆動用バッテリーを搭載し長距離を走行するのは合理的ではありません。ボルグワーナーは既存エンジンが活用できるといったメリットから、水素エンジンの可能性に着目。気体である水素を燃料に使うにあたって改良されたインジェクターなど、同社の最新デバイスの特徴を紹介しています。

<e-fuel>
 油田から採掘された原油の代替として使えるe-fuel。二酸化炭素を、水を電気分解した水素と化学反応させて生み出されるこのe-fuelもカーボンニュートラルに向けての有力な選択肢のひとつです。本誌アドバイザーであり、e-fuelの最新事例にも幅広い知識を有する畑村耕一博士に、e-fuelの基礎知識をわかりやすく説明していただき、あわせてNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業総合開発機構)の液体合成燃料一貫製造プロセスに関する取り組みも解説いただきました。

<FH2R>
 NEDOが福島県浪江町に建設したのが、再エネを利用した世界最大級の水素製造施設であるFH2R(福島水素エネルギー研究フィールド)です。2020年3月に完成し、太陽光発電など再生可能エネルギーから毎時1200Nm3の水素を製造できるこの施設をNEDOのご協力で現地取材。東京からの移動には水素を使う燃料電池車、トヨタMIRAIを使い、FH2Rで製造された水素を浪江町の水素ステーションで補充して帰京しています。

<日産>
 高レスポンス/高出力を重視したスポーツカー用エンジンでもCO2排出量を無視するわけにはいきません。日産の7代目フェアレディZに搭載されるVR30DDTT型3.0ℓツインターボエンジンは、高回転高出力のターボエンジンでありながら、環境性能も重視して開発。コンプレッサーハウジングに搭載された回転速センサーで21万rpmという超高回転数に及ぶ運転状況を正確に捉え、小型ターボにもかかわらず298kWの最高出力を実現した緻密な制御とハードウェアの進化をエンジニアに伺いました。

<人とくるまのテクノロジー展レポート>
 コロナ禍によりリアル開催を断念していた人とくるまのテクノロジー展YOKOHAMAが5月25日−27日の3日間、3年ぶりにパシフィコ横浜で開催されました。今号では会場でさまざまな分野での注目の製品や技術を数多くピックアップし、レポートとしてまとめています。

<コンテンツ>
▷ introduction 「対CO2」の主役は10年後もBEVではない
▷ 資源高とエネルギー高の中でCO2排出は削減できるか[愛知製鋼・特殊鋼の製造]
▷ アルミ製造時エネルギーの3分の2は電力[UACJ・アルミ合金の製造]
▷ ホンダが8年間鍛えた新種の藻[ホンダ・DREAMO]
▷ 微細藻類ユーグレナ由来の次世代バイオディーゼル燃料[ユーグレナ・サステオ]
▷ 炭素フリーの水素エンジンという選択肢[ボルグワーナー]
▷ e-fuelとはいったいどのような燃料なのか?[畑村博士が解説する基礎知識]
▷ 産官学一体でカーボンニュートラルへ[NEDO・CO2由来液体燃料の一貫製造プロセス]
▷ 微妙にすれ違う欧州と日本のe-fuel戦略[テクノバ・各国のカーボンニュートラル戦略分析]
▷ そこに未来は、少し見えていた[NEDO・FH2R現地取材]
▷ アルミ利用のポイントは強度とコストと軽量化のバランス[UACJ・アルミ合金の利用]
▷ 「高出力だけど高効率」はどのように両立させるのか[日産・VR30DDTT]
▷ 「経済の血液」たる物流のカーボンニュートラルとは[いすゞ・大型トラック]
▷ 割れたフロントガラスを新品に再生する[アウディ・再生ガラス]
▷ 火力発電所の排ガスで老朽油田を活性化[三菱重工業・CO2回収プラント]

モーターファン・イラストレーテッド volume 189
2022年6月15日発売
定価1760円(本体価格1600円)
ISBN:9784779646287

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部