出光興産:業界初、商用ディーゼルエンジン車のDPFを超寿命化させる無リン無灰オイル「idemitsu AshFree」を新開発

idemitsu AshFree(20L缶)
出光興産は、業界初となる無リン無灰のディーゼルエンジンオイル「idemitsu AshFree」(イデミツアッシュフリー、粘度グレード:10W-30、荷姿:200Lドラムまたは20L缶)を、9月1日から発売することを発表した。

「idemitsu AshFree」は、ディーゼルトラックやバスに搭載される排ガス浄化処理装置DPF※1(Diesel Particulate Filter、ディーゼル微粒子捕集フィルター、以下「DPF」)の目詰まりの要因となる灰を出さないオイルとして、DPFの寿命延長によるメンテナンス費用の削減やDPF再生※2時間短縮による労務時間・燃料使用量の削減を実現する。本製品は出光興産の特約販売店を通じて販売される。

トラックやバスのエンジンに使用されている従来のディーゼルエンジンオイルには清浄性や耐摩耗性を向上させるため、添加剤として金属添加剤が含まれている。一方、これらの金属添加剤は灰となり、DPFを詰まらせ、トラブルの要因となることが長年の課題となっていた。この課題を根本的に解決するため、出光興産は灰を減らすのではなく、出さないというコンセプトのもと、独自の添加剤処方技術により、灰となる金属添加剤を使用しないディーゼルエンジンオイルの開発に取り組み、成功を収めた※3

idemitsu AshFree特長(期待効果)

  1. DPFの寿命延長
    DPFに灰が溜まらず、DPFの寿命延長(DPFの交換、洗浄などのメンテナンスコスト削減)が可能。
  2. 労務時間の改善
    DPFの手動再生に費やしていた労務時間を削減し、作業負担を軽減。
  3. 燃料消費量の削減
    DPFの再生回数増加を抑制するため再生に使用する燃料を削減。
  4. 優れた高温清浄性
    優れた高温清浄性と低い蒸発性を有しており(出光興産DH-2オイル対比)デポジット抑制(EGR等)にも期待が見込まれる。
  5. 環境への貢献
    DPFの再生回数抑制などによりCO2排出量の削減につなげる。また、リンを使用しないことにより、触媒の被毒を抑え、触媒の交換を減らすことが期待されている。

※1 DPFはディーゼルエンジンの排気ガスに含まれるPM(Particulate Matter: 粒子状物質)を捕集し、クリーンな排気ガスに変える装置。PMは燃料、オイル由来のススやオイル中の金属添加剤に由来する灰分から発生する。※2 DPFは定期的な点検・清掃が必要で、PMが溜まると自動的にPMを燃焼させる「再生」処理をすることで、フィルターの性能を保持する。走行条件によっては自動再生では再生が完了しない場合があり、手動での再生を実施する必要が生じる。手動再生は30分程度車両を停止させて行う必要がある。
※3 独自の添加剤処方技術により、「JASO DH-2」(日本製ディーゼルエンジン+DPF適合性能)規格より低い硫酸灰分と塩基価を実現し、「JASO DH-2」で制定されている全てのエンジン試験をクリアしている。

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