ブリヂストンが乗用車用プレミアムタイヤの生産体制を強化。ブラジル・バイーア工場の生産能力を増強させる。

ブリヂストンのグループ会社であるブリヂストン・ド・ブラジル・インドゥストリア・イ・コメルシオ・リミターダは、ブラジルで乗用車用タイヤ及び小型トラック用タイヤを生産するバイーア工場の生産能力増強を決定した。

今回の投資金額は約 2.7 億ブラジルレアル(約 73 億円)で、2021年7月1日に発表した生産能力増強の投資金額と合算すると、総投資金額は約9.7億ブラジルレアル(約 262 億円)となる。2024年第1四半期までに増強が開始され、2024 年末までにバイーア工場の生産能力は現在の年間約350万本から約500万本に増強される予定となっている。ブリヂストンは、ブラジルをはじめ米州地域において乗用車用タイヤの生産能力増強によるプレミアムタイヤ事業の強化を通じて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で掲げる「Extension 人とモノの移動を止めず、さらにその革新を支えていくこと」にコミットしていく。

ブリヂストンは、グローバルでプレミアム商品を「創って売る」体制の強化に向けた投資を実行しており、2022年8月31日に発表した「2030年 長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」においても、グローバルで乗用車用高インチタイヤの販売・シェアの拡大を継続して目指すと共に、“新たなプレミアム”を創造するプレミアムタイヤ事業にフォーカスしていくことを発表した。今回のバイーア工場の生産能力増強は、その一環として、北米・中南米を合わせた米州地域の乗用車用高インチタイヤの「創って売る」体制を強化し、さらに”EV 時代の新たなプレミアム“として位置付けている環境性能と運動性能を両立し、EV 航続距離の延伸へ寄与する ENLITEN 技術へも対応するものである。

また、米州における地産地消率を向上していくことで、地産地消を前提とした生産体制であるグローバルタイヤフットプリントの構築に繋げていく。現在の米州地域における地産地消率は約 90%で、今回の増強により、今後の米州市場での拡売へ対応し、ありたい姿である乗用車用タイヤの地産地消率グローバル 95%を実現する。

さらに、今回の生産能力増強により、バイーア工場における雇用が約1300人から1500 人となる地域の雇用促進、地域社会と共同で工場周辺地域の緑化や生物多様性保全プログラムを実施するなど、地域社会に寄り添い貢献すると共に、技術&イノベーション、サステナビリティの観点においても、ブリヂストングループの重要な生産拠点として将来のグリーン&スマート工場化も見据え、進化を続けていく。グリーン化については、カーボンニュートラル化実現に向けた CO2 排出抑制新技術が導入する計画となっている。スマート化については、従来の自動化技術にデジタル技術を加え、AI 制御を可能とすることで暗黙知を形式知化するなど、強い“リアル”X“デジタル”でモノづくりを極めることによって、属人的なモノづくりから脱却し、タイヤの更なる品質の向上や現場のスルラク(現場の負荷軽減)による労働生産性の向上、DE&I の推進にも繋げられていく。

■バイーア工場概要

1.所在地 : ブラジル バイーア州 カマサリ市
2.設立年 : 2006 年
3.建屋面積 : 約 84,000 ㎡
4.従業員数 : 約 1,300 名(2022 年8月時点)
5.生産能力 : 年間 350 万本
6.生産品目 : 乗用車用および小型トラック用ラジアルタイヤ

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部