【欧州】認証操作なしで充電できる「プラグ&チャージ」をメルセデス・ベンツが提供開始。プラグインハイブリッド車にも対応

メルセデス・ベンツのプラグインハイブリッド車の充電において、アプリ、認証カード、ヘッドユニットを介さず簡単な充電を可能とする「プラグ&チャージ」サービスが欧州で施行された。現行のメルセデスCクラス、Sクラスの直流充電対応プラグインハイブリッド車には、ソフトウェアアップデートにより本機能が提供される。また、新型GLCはオプション設定によって利用が可能となっている。

電動ラグジュアリーカー EQS、そしてビジネスサルーン EQEを皮切りとして、メルセデス・ベンツの現行プラグインハイブリッド車には、「Mercedes me コネクト」サービスと組み合わせた「プラグ&チャージ」システムの搭載が開始されている。メルセデス・ベンツは、自動車メーカーとしていち早くこの機能をプラグインハイブリッド車に搭載し、認証オプションの提供を実現した。プラグ&チャージを利用すれば手動認証が不要になるため、顧客にとって充電や支払いがさらに簡単に行えるようになる。なお、充電ステーションと自動車が直接通信を行うため、充電ステーションがプラグ&チャージに対応している必要がある。

充電の方法はシンプル。充電ステーションに車を走らせ、フラップを開けてプラグを差し込めば電力供給が自動で開始される。充電カードやアプリ、ヘッドユニットの認証操作はもう必要がない。このシステムは、充電ケーブルを介して車両と充電ステーションが統合的に通信することによって実現された。ISO 15118規格によって、車両とインフラ間の通信、および保存された契約データが不正操作から保護されている。そのため、車両と充電ステーションは、ともにこの規格に準拠して動作しなければならず、それ以外のことは、「Mercedes me コネクト」のサービスである「Mercedes me チャージ」を通じて自動的に処理される。顧客は、「Mercedes me チャージ」に有効な充電契約を保存しておくだけでいいのだ。

メルセデス・ベンツ S 580 e
メルセデス・ベンツ C 300 e
メルセデス・ベンツ GLC

すでに現行のCクラスまたはSクラスのプラグインハイブリッド車に乗っている車両オーナーであれば、誰でもこの新しい充電ソリューションを簡単に利用することができる。OTAアップデートにより、必要な証明書が車両にインストールされるため追加操作もなし。OTAアップデートでプラグ&チャージに対応する現行CクラスとSクラスに加え、新型GLCも工場出荷時からプラグ&チャージに対応している。サービス利用には、プラグインハイブリッド車にオプションの直流充電システム(DCチャージ)を搭載し、顧客がサービスの概要でプラグ&チャージサービスを有効にする必要がある。

ヘッドユニットまたはMercedes me Appに表示される充電ステーションの詳細には、その充電ステーションがプラグ&チャージに対応しているかどうかが表示されるようになっている。また、顧客は充電ステーションを検索することもできる。さらに、車両のヘッドユニットのMBUX、Mercedes me App、またはMercedes me Charge充電カードから充電にアクセスするオプションも備えられている。

プラグ&チャージは、欧州の1,800カ所以上のIONITY急速充電器と、ドイツのAral pulse急速充電器で利用することができる。ドイツ国内だけでも約700カ所のAral pulse充電ポイントがあり、このネットワークはドイツ国外も含め、継続的に拡大されている。メルセデス・ベンツと充電ネットワーク運営会社は、プラグ&チャージをより多くの充電ステーションに拡大するために取り組みを続けていく。

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