【海外技術情報】VW:『ID. Buzz』が搭載する革新的な運転支援システム

ウィンカーボタンをタップするだけで、『ID. Buzz』は高速道路における車線変更の支援を受けることができる。スウォームデータを使用したり、定期的な駐車操作を学習したりもできる。『ID. Buzz』には運転をさらに便利にして安全性を高める、新しいインテリジェント支援システムが導入されている。
TEXT:川島礼二郎(Reijiro KAWASHIMA)

「『ID. Buzz』のアイコニックなデザインが革新的なテクノロジーと出会いました。それが新しい便利な支援システムに反映されています。可能な限り多くのモデルにプレミアム テクノロジーとイノベーションを提供する、というVWのコミットメントに沿ったものです」VWブランド取締役会のメンバーで開発を担当するカイ・グリューニッツ氏は述べた。

VWは『ID. Buzz』に完全に統合された最新世代の支援システムを搭載した。オプションのスウォームデータ付き『トラベルアシスト』とメモリー機能付き『パークアシストプラス』は、その好例。これらのシステムは、今後新たに生産される『ID.』シリーズ(『ID.3』・『ID.4』・『ID.5』)にオプションとして注文できる。

スウォームデータによる『トラベルアシスト』

オプションの『トラベルアシスト』は車両を車線内に保ち、前方の車両との距離を維持し、ドライバーが設定した最高速度を維持する。これにはアダプティブレーンガイダンスシステムが使用される。このシステムはアクティブに車両を車線中央に保つ。『トラベルアシスト』はドライバーの運転スタイルに適応して、車両を車線中央ではなく左右に維持することもできる。『トラベルアシスト』には予測クルーズコントロールとコーナリングアシスト機能も付帯する。それにより車速を制限速度と、道路のコース(カーブやラウンドアバウトなど)に適合させる。

VWの他車からの匿名化されたスウォームデータを利用できる場合、そのスウォームデータを使用して、『トラベルアシスト』は特定された1つの道路の車線マークのみを使用して車両を車線内に保つことができる。この場合アシスタンスシステムは、たとえばセンターラインのない田舎道でも利用できる。『トラベルアシスト』の利用可能性はスウォームデータによりさらに向上して、快適性と支援レベルを向上させる。

車両群から得られるスウォームデータの活用

VWはスウォームデータを活用して、より高度な自動運転に向けた次のステップを踏み出している。匿名化されたスウォームデータは数十万台ものVWグループの車両により生成される。これら車両群はマーカーラインや道路標識といった車両周辺のマップマテリアルも収集して、この情報を自動的にクラウドに送信する。そこから個別に調整されたデータが関連する道路を走行しているVWグループの車両に送信される。多数の参加車両のおかげで、データベースは常に拡大している。

続いて、時速90kmからの車線変更支援について説明しよう。90km/hを超える速度で高速道路を走行しているとき、ドライバーが希望すればスウォームデータを使用した『トラベルアシスト』がアクティブに車線変更を支援する。起動すると、ウィンカーボタンをタップすることで車線変更プロセスを開始および実行できる。操作の完了は、センサーが車両周囲に物体を検出しないことと、ステアリングホイールがドライバーの手を検出できる必要がある。その後『ID. Buzz』は自動的に目的の車線に向けて移動する。ドライバーはいつでも介入して操作を引き継ぐことができる。

メモリー機能付き『パークアシストプラス』により車両は自然と駐車スペースに収まる

もう1つのオプションがメモリー機能付きの『パークアシストプラス』だ。この革新的な運転支援システムを使用すると、最大5つの個別の駐車操作を車両に学習させることができる。メモリー機能は40km/h未満の速度で最大50mの距離をカバーする駐車手順を記憶する。これにより誰でも『ID. Buzz』をカーポートやガレージなどにスムーズに駐車できる。ドライバーは車両を1回駐車するだけで、駐車手順を保存できる。その後『ID. Buzz』は学習した駐車操作を自分で繰り返す。ドライバーは状況を監視するだけで駐車できるようになる。

パーキングメニューで起動すると『パークアシストプラス』は駐車スペースを検索して駐車操作を実行することもできる。駐車スペースを通過する際、インテリジェントアシスタンスシステムは40km/hまでの速度で適切な縦列駐車スペースを、20km/hまでの速度で駐車スペースを検出できる。ドライバーは選択した駐車スペースに停車し、ブレーキを踏み、駐車手順を有効にして監視するだけ。『パークアシストプラス』がセンサーの助けを借りながらステアリング操作、加減速、ギアチェンジを行い『ID. Buzz』を駐車してくれる。また『パークアシストプラス』がドライバーが開始した駐車操作を引き継ぐこともできる。縦列駐車スペースからの再出庫も支援する。

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著者プロフィール

川島礼二郎 近影

川島礼二郎

1973年神奈川県生まれ。大学卒業後、青年海外協力隊員としてケニアに赴任。帰国後、二輪車専門誌、機械系…