水素混焼率35%での定格運転は国内初

東邦ガス、三菱重工業:コージェネレーションシステム用ガスエンジン商品機で都市ガス・水素混焼の試験運転に成功

東邦ガスと三菱重工エンジン&ターボチャージャは、コージェネレーションシステム用のガスエンジン商品機を用いた都市ガス・水素混焼実証に共同で取り組み、定格発電出力、水素混焼率35%(体積比)での試験運転に国内で初めて(注1)成功した。

 本実証は、既に顧客先に設置済みのコージェネに対し大幅な改造を加えることのない範囲で都市ガス・水素混焼運転を実現するための知見獲得を目的に、東邦ガス技術研究所(愛知県東海市)において、三菱重工エンジン&ターボチャージャ製ガスエンジン商品機を用いて行ってきたもの。都市ガス・水素混焼においては、異常燃焼(バックファイア:注2、ノッキング:注3、プレイグニッション:注4)の発生が課題となるが、このたび空気と燃料の投入比率の調整等により、安定した燃焼状態での運転を確認した。

(注1)東邦ガス調べ。
(注2)エンジンの吸気側に火が逆流する現象であり、 エンジン吸気系の損傷につながる。 水素は都市ガスと比べ最小着火エネルギーが小さいこと、 燃焼速度が速いことから、 都市ガス専焼に比べバックファイアが発生しやすい。
(注3)点火時期が早すぎる場合や圧縮比が高すぎる場合に、 混合気が自着火して燃焼室内の圧力が急激に上昇する現象であり、 エンジン内部部品損傷の原因となる。 水素は都市ガスと比べ燃焼性が高く、 シリンダ内圧・温度が上がりやすいことから、 都市ガス専焼に比べノッキングが発生しやすい。
(注4)通常の点火の前に、 混合気が自着火して燃焼室内の圧力が急激に上昇する現象であり、 エンジン内部部品損傷の原因となる。 水素は都市ガスと比べ最小着火エネルギーが小さいことから、 都市ガス専焼に比べプレイグニッションが発生しやすい。
(注5)今回、 都市ガス仕様の定格発電出力で試験運転に成功。

キーワードで検索する

著者プロフィール

Motor Fan illustrated編集部 近影

Motor Fan illustrated編集部