オムロン、新型オートメーションコントローラーを4月24日に発売

オムロンは情報制御と安全制御を進化させたオートメーションコントローラー NXシリーズCPUユニット「形NX502-1□00」(以下、「NX502」)と、EtherNet/IPTMユニット「形NX-EIP201」(以下、「NX-EIP201」)を2023年4月24日にグローバルで一斉に発売開始する。

開発の背景

ESG経営の重要性の高まりを受け、製造現場でもカーボンニュートラル実現に向けた取り組みが活発化している。またxEVやデジタルデバイスなど著しい技術革新が進む製品に関わる製造現場では、急激な需要変動に対応するため迅速な歩留まり改善や柔軟な設備設計に対応できるライン構築が課題となっている。

新たなCPUユニット「NX502」とEtherNet/IPユニット「NX-EIP201」はオムロン独自の高度な情報処理・通信技術および大容量メモリの採用により、リアルタイムでの分析や工程のモジュール※1などを実現している。これにより生産現場における資源廃棄ロスの削減、ライン変更時のリードタイム短縮に貢献する。

(1) 世界最高精度※2のデータ収集能力と大容量転送能力により生産現場における資源廃棄ロスを削減

ジッタ1μs以下の高精度データ収集能力と同等クラスのコントローラーに比べて約4倍※3のデータ転送能力により、生産関連データ(温度・圧力・流量など)を分析、加工条件にリアルタイムに反映することができる。不良品の要因となる工程の迅速な改善を実現し、さまざまな生産現場での資源廃棄ロスを削減する。

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【アプリケーション事例】 精密な製品加工を求められる結晶製造プロセス
高品質な結晶を生成するためには、生産関連データを条件によってリアルタイムに変動させなければならず、ボトルネックである通信性能の限界により、製造品質が安定しない課題があった。NX502の高い情報処理能力により早期に原因を特定し、生産状況の改善につなげ、結晶の安定的な量産に貢献する。

(2) NXシリーズ初の大規模&高速安全の統合制御技術※4により生産ライン変更時のリードタイム短縮

NX502とNX-EIP201で進化した統合制御技術により、最大8系統のネットワーク系統分離によるモジュール分割と、最大254本の安全コネクション※5までの大規模生産ラインを制御できる。これにより、大規模なラインでも全体の操業への影響を最小限とした部分的な工程の調整・チェックを行うことができ、ライン変更時のリードタイムを大幅に短縮することで、エネルギー生産を最大化する。

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【アプリケーション事例】 多品種を取り扱うボディフレーム溶接ライン
市場ニーズの多様化により、様々な車種の混流生産が求められる中で工程の追加や変更が必要な場合は、該当箇所のみを停止するなどの工夫でリードタイムの最小化が求められる。NX502とNX-EIP201は、安全を含めたネットワーク系統を分離することが可能。溶接工程の追加などの細やかなものづくり現場の変更にも柔軟に対応し、生産の効率化に貢献する。

注釈

※1: 生産ラインにおける各工程を機能単位に分割し、柔軟に変更しやすい状態にしておくこと
※2: オムロン調べ。2023年3月31日時点
※3: オムロン調べ。オムロンNJ501との比較。2023年3月31日時点
※4: オムロン独自のマルチコア技術によって情報処理と安全処理と制御を同時に実現する技術
※5: 2種類の安全通信規格「CIP Safety」、「FSoE (Safety over EtherCAT)」に対応

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