より環境負荷を低減したアルミ板材
UACJは、2021年6月に「UACJ SMART」の提供を開始した。こうした中、近年、国内外の顧客から、各製品において環境負荷低減の要望がさらに高まっている。今回、従来の「UACJ SMART」の管理方式に加えて、原料使用の割合をマスバランス方式※1で管理し、GHG※2排出量を証明した「UACJ SMARTマスバランス」の提供が開始される。
本製品群は、原料としてグリーン電力に由来するアルミ新地金やクローズドループで回収された端材などを利用していることをマスバランス方式で証明するもので、一般的なアルミ材よりも環境負荷が低いものである。原料に由来する排出量とUACJの製造工程のScope1・2に基づき、Cradle to Gate※3のGHG排出量を算出し、第三者検証※4の保証書付きで提供する。これにより、顧客は環境対応の選択肢が増え、保証に基づいた環境負荷低減の実現が可能となる。
【注釈】
※1 マスバランス方式:GHGプロトコルやISO22095規格などで定められている管理手法の一つ。さまざまな由来や性質を持つ原料・製品を混合して管理する手法。他の素材産業においても導入が進められている。
※2 GHG(Green House Gas):温室効果ガス。CO2以外のメタンや一酸化二窒素、ハイドロフルオロカーボンなどのガスを含む。アルミニウムの新地金を得る製錬工程ではCO2以外のガスの排出を伴うため、IAI(International Aluminum Institute国際アルミニウム連盟)などではGHG排出量で開示されている。
※3 Cradle to Gate:LCA(Life Cycle Assessment)の計算において、原材料の採掘から製品出荷までの工程の全体をさす用語。
※4 運用の適切性について第三者機関(日本検査キューエイ株式会社)により検証(限定的保証)を受けた。