NTN、EV・HEV向け「同軸e-Axle遊星減速機用ニードル軸受ユニット」を開発

NTNはニードル軸受(保持器付き針状ころ)とシャフトをセットにした、電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)用e-Axle向け「同軸e-Axle遊星減速機用ニードル軸受ユニット」の開発を発表した。保持器やころ、シャフトの各要素に改良を加え耐ピーリング性能や高速回転性能、耐モーメント荷重性能を向上させ、小型・高速化を背景に過酷さを増す同軸e-Axleの使用環境に対応して省燃費・省電費化に貢献する。

開発の背景

EV・HEV向け「同軸e-Axle遊星減速機用ニードル軸受ユニット」
同軸e-Axle(赤丸部分が本商品の使用箇所)

近年、開発・普及が進むEVやHEVには、主な駆動源としてモーター、インバーター、減速機を一体化したe-Axleが搭載されるケースが増えている。e-Axleのうち遊星減速機を使用する同軸e-Axleには、断面高さが小さく高い負荷容量を持つニードル軸受が使用されている。

同軸e-Axleは高効率化を目的に潤滑オイルの低粘度化が進んでいるが、低粘度化により油膜が薄くなると軸受の軌道面ところ(転動体)が直接接触することで、軸受の損傷の原因となる微小なはく離(ピーリング)や亀裂が表層に発生する。また、車両の省燃費・省電費化に伴うe-Axleの小型化・高出力化により、軸受の高速回転対応も必要となっている。加えて、遊星減速機には静粛性を確保するため、歯すじがらせん状に入ったヘリカルギヤ(はすば歯車)が使用されているが、軸に対して歯すじが斜めに入ったギヤ同士が噛み合うことで、ギヤを傾けようとするモーメント荷重が発生する。また、同軸e-Axleでは、大きな減速比を得るために、軸方向に長い段付き遊星ギヤを用いるため、シャフトも長くなり、荷重がかかった際にたわみやすくなる。モーメント荷重とシャフトのたわみにより、軸受のころの面取り近傍の面圧が上昇し、それに伴う軸受寿命の低下も課題となっている。

開発品の特長(NTN従来品比)

1. 耐ピーリング性能シャフトの熱処理条件を最適化することで、異物などによる表面損傷への耐久性を高め、ピーリング寿命をNTN従来品比で約30%向上させている。
2. 高速回転性能材料変更や溶接部の設計、熱処理の諸条件を最適化し、保持器の疲労強度を高め、高速回転性能をNTN従来品比で約10%向上させている。
3. 耐モーメント荷重性能ころのクラウニング形状の最適化に加えて、シャフトの材料変更により塑性変形によるシャフトの曲がり量を約70%低減。これにより、モーメント荷重の発生時において、面圧を低減し、寿命低下を防止することができる。
※高温・高荷重下の長時間使用により、シャフトが撓んで塑性変形する現象。

NTNは本商品を同軸e-Axleの遊星減速機に最適な商品としてグローバルに提案を進め、e-Axleの小型化・高速化、さらにはEV・HEVの省燃費・省電費化に貢献する。NTNは、本商品を5月24日~26日にパシフィコ横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展2023 YOKOHAMA」に出展する。

用途

同軸e-Axleの遊星ギヤユニット

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