ニデック、新型の電動パワーステアリング用モーターパワーパックを新開発

新型パワーステアリング用モータパワーパック(コラム式)
ニデックは新型のパワーステアリング用モーターパワーパック (以下、EPS-PP:Electric Power Steering Motor Power Pack)の新製品を開発したことを発表した。ニデックは 1990 年代より EPS 用モーターを開発・製造しており、世界中の自動車メーカーに採用されている。

開発の背景

EPS には主に小型車に採用されるコラム式と、高級車で広く採用されているラック式があるが、近年はコラム式にもラック式と同等のスムーズな操舵性能が求められると共に、市場からは更なる価格低減が求められている。さらに、ADAS機能の普及により、レーンキープアシスト等の ADAS 機能をスムーズに機能させるために更なるステアリングシステム全体の摩擦、及びトルクリップル性能の低減が求められている。

従来、スムーズな操舵性能を達成するために、主にモーターや EPS 減速機構の摩擦やトルクリップルを低減するように設計や製造段階での改善が行なわれてきたが、コスト面に課題が残っていた。

新開発モーターパワーパック

ニデックが新規開発した EPS-PP は、モーター及び EPS 減速機構の摩擦やトルクリップルを逐次検出しながら補正を行なうことで、従来よりも大きな摩擦やトルクリップルがあってもスムーズな操舵性能を達成することに成功した。これにより、モーター及びEPS 機構の摩擦やトルクリップルの管理を緩和でき、性能は落とさずコストダウンが可能になった。

さらには、摩擦につながるロストルク低減のために使用していた電磁鋼板材料を低グレード材にできるなどモーター材料のコスト低減が実現されている。

 

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