エンジン最前線|EGRと吸気システムが織りなす新たなパフォーマンス[自動車業界60秒ブリーフィング]

排ガス再循環(EGR)は、現代エンジン設計における重要な技術であり、以前は排ガス規制に対応するための手段だったが、今では燃費効率の向上を目指す工程に欠かせないものとなった。この変遷は、自動車エンジンの吸気設計における大きな転換点を象徴している。

従来、エンジンは高回転高出力を求め、吸気弁の大きさや吸気抵抗の低減が主要な目標であった。しかし、70年代の排ガス規制開始以降、排ガス浄化と窒素酸化物(NOx)の低減に向けた取り組みが増え、EGRが導入された。また、90年代以降は高出力と燃費の両立が求められ、その結果、4弁エンジンが主流となり、吸気設計も変化していった。

近年は、EGRの効果を活用し、排ガスの流れを制御することで燃費の改善やノッキング抑制を実現する取り組みが行われている。具体的には、EGRを介した吸気量の調節により、スロットルによる吸気管負圧を小さくし、燃焼効率を高めることが可能となった。

参照記事)EGRが当たり前となった現代のエンジンの吸気

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