日産はe-POWER発電専用ガソリンエンジンにおける熱効率50%の達成目標を発表。これは燃焼技術「STARC」を活用したもので、量産エンジンへの実装を目指す。研究レベルでは既に同等の効率が達成されているが、日産は量産を見据えた取り組みを進めている。
STARC技術は強力なタンブル流に乗せて点火プラグのアーク放電を伸長し、火炎核を形成することで超希薄混合気を完全に燃やす。これにより燃焼効率の向上が図られる。
この技術の一部は内閣府直轄の研究プロジェクト「SIP革新的燃焼技術」の成果と重なる部分があるが、日産の取り組みは製品化を目的としているため、スタンスは異なる。SIP革新的燃焼技術からわずか2年でこのような具体的な取り組みが始まったことは予想外であった。
日産の新技術は、高熱効率を実現しつつ、製品としてのロバスト性を確保するために放電チャンネルの伸長方向やプラグの電極との位置関係などを細かく制御するという独自の工夫が加えられている。
熱効率50%を目指すe-POWER専用エンジンの開発は、バッテリーの出力向上と容量が必須条件であり、そのためにはバッテリー技術の進歩がカギとなる。
(要約元)熱効率50%を射程に捉えたe-POWER向け次世代燃焼技術