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自律走行機能を付加した搬送アシストロボット
現在、医療業界を取り巻く環境は、医師の働き方改革(2024年)や、労働人口減少問題 (2030年)など、大きな転換点を迎えており、質の高い医療サービスを提供・維持し続けるためには、人手に依存している作業をロボット化し、限られた医療リソースを効率的に活用することが不可欠とされている。しかし現状では、医療施設ではロボット導入にあたり施設の建て替えやロボットの導線確保などのコストや手間が発生するため、普及が進まないという課題がある。
本プロジェクトでは、NSKが開発した搬送アシストロボットに、新たに自律走行機能を付加。このロボットを既存のカートに取り付けることで、最小限の設備で薬剤カートの自律搬送を実現している。また、環境認識センサも搬送アシストロボットに付加し、ロボットが最適な導線で走行するために必要な病院のフロア情報を自動で収集することにより、デジタル上で病院内の人とモノの位置情報を可視化する。医療施設内は、患者の急な容体変化などにより医療器材が頻繁に移動するなど、刻々とモノの配置が変化し、自律走行の難易度が高い環境であるが、このデータ収集により、病院に負担をかけずにデジタルプラットフォームを構築する。このように、本プロジェクトでは、既存のリソースや自動データ収集などを活用することでロボット導入コストを抑え、医療現場のRX普及に貢献する。
今後、搬送アシストロボットを活用したデータビジネスとして、2026年に医療業界におけるロボットプラットフォームの事業化が目指される。
事業およびプロジェクト詳細
事業名 | 令和5年度神奈川県県内産業DXプロジェクト支援事業 |
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採択プロジェクト名 | RXによる院内搬送ソリューションプロジェクト |
メンバー | NSK、地方独立行政法人神奈川県立産業技術総合研究所 |
場所 | 医療法人 徳洲会 湘南鎌倉総合病院 |
プロジェクト概要 | 薬剤カートの自律走行搬送の成立性検証、医療現場での実証事業 |