自動車業界のエネルギー消費についての議論が深まる中、日本全体での内燃機関(ICE)搭載車を全てバッテリー・エレクトリック・ビークル(BEV)に置き換えるという前提で電力供給が可能かについての検証が試みられている。
日本における1年間のガソリン消費量は約5,078万kLとされ、これを電力に換算すると約1,290億kWhになる。これはガソリンICE車の平均燃費が13.33km/L、BEVが100km走行する時に消費する電力の平均が19.05kWhと仮定した場合の計算である。
これらの仮定は一部の研究者が示唆しているものであり、さらなる詳細な試算には多くの要素が関わる。その中でも、走行距離、気候、道路状況などの影響により、実際の消費電力はさまざまであることが指摘されている。
燃費の悪化についても言及があり、VWのゴルフマイルドHEVでは3人乗車でも燃費が4%しか悪化しない一方で、同社の電動車ID.4では6%悪化すると報告されている。これらの結果はあくまで一例であり、実際の結果は車種や条件により変わる。
全てのガソリン車をBEVにした場合に想定される電力消費は、試算に過ぎないとされるが、これは現実の世界で確かなことはほとんどなく、試算自体が重要なステップであると考えられる。全てのガソリン車をBEVにした場合、必要な電力供給量については、継続的な研究と議論が求められる。
[詳細]自動車が使う化石燃料ぶんのエネルギー量を発電でまかなうことは可能だろうか・前編