サスペンションの技術「マクファーソン・ストラット式からトーションビームアクスルまで」[自動車業界60秒ブリーフィング]

自動車のサスペンションには、車輪の上下動を制御するための構造が必要で、その形式と配置にはいくつかのセオリーが存在する。現在主流となっている4つの基本構成について解説する。

  1. マクファーソン・ストラット式: この方式は、ダンパーを車輪位置決めの支柱として使用し、高い強度と剛性が要求される。エンジンを横置きする前輪駆動車に都合がよく、コスト面、重量面でも有利である。
  2. ダブルウィッシュボーン式: 上下一対のアームによって構成され、剛性が確保しやすい。レーシングマシンに多く採用されるが、一般的な乗用車では配置が制約される場合もある。
  3. マルチリンク式: リンク機構によって構成されるこの方式は、ジオメトリー変化にともなう車輪位置決め自由度の向上を図る。メルセデス・ベンツなどが採用している。
  4. トーションビームアクスル: Cセグメント以下の前輪駆動車において主流で、コスト面でも有利な形式である。ロール剛性が高く、構造上の特徴を持つ。

これらの方式は、車の性能やコスト、用途に応じて選ばれ、それぞれの特性が自動車の操縦性や快適性に影響を与える。

リンクの配置と役割

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