車体挙動の科学|コンプライアンスステアとバンプステアの解析[自動車業界60秒ブリーフィング]

自動車のステアリングと車体挙動の関係において、コンプライアンスステアとバンプステアの2つの概念が重要である。

コンプライアンスステアは、タイヤに生じた横力を利用して積極的にトー角を変化させる機構である。旋回中の横力がサスペンションリンクピボット部分のゴムブッシュをたわませ、ホイールのトー角を制御する。サスペンションジオメトリーは、外部からの入力を利用し、車体姿勢を安定方向に導くように設定されている。

バンプステアは、サスペンションアームとタイロッドの軌跡の違いを利用する機構である。タイロッドがロワーリンクより高い位置にある場合や、極端に短い場合、両者が描く円弧の径と方向が異なり、相互間に相対変位が生じる。この相対変位はトー角を変化させるように作用し、ステアリングは強制的に動かされる。

タイロッドの高さや長さの設定はバンプステア特性を左右し、配置が基本中の基本となる。タイロッドが低く長い設定や高く短い設定などは、トーへの干渉が大きくなることがある。

コンプライアンスステアとバンプステア -ステアリングと車体挙動の関係

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